セルフGOXとは
セルフGOXの意味
セルフGOX(セルフゴックス、Self-GOX)とは、自らの不手際で仮想通貨資産を消滅させてしまう行為を意味します。秘密鍵を紛失するなどして仮想通貨資産を取り出すことができなくなってしまう状態です。
セルフGOXの由来
セルフGOXにも使われる「GOX」という言葉の由来は昔日本で仮想通貨交換所を展開していたMt.GOX(マウントゴックス)社から来ています。2014年2月にマウントゴックス社は480億円もの不正流出を起こしてしまった結果顧客資産を払い戻すことなく、ユーザは全ビットコイン資産を喪失するという事態を引き起こしました。
過去の主な仮想通貨の流出事件をまとめた表です。規模でいうと、ビットポイントからの流出額はZaifの半分程度ですね pic.twitter.com/r0tw1Dkxf3
— 高城泰 (@takagifx) July 12, 2019
コインチェックNEM不正流出事件などでは仮想通貨取引所が返金対応を実施したものの、マウントゴックス社の場合は手元に資産がなくそれを実行することもできない悲惨な状況を生みました。
あまりにもインパクトがあり、その事件以降は「GOXした」というだけで資産を失ったという意味が伝わるようになり、今でも広く使われています。
セルフGOXとGOXの違い
「GOXした」「セルフGOXした」と使われますが、GOXとセルフGOXでは微妙に意味が違います。
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外的要因で仮想通貨資産を失った場合はGOX。自分自身の直接的な行為で仮想通貨資産を失った場合はセルフGOXとなります。
セルフGOXの事例
秘密鍵の紛失
一般的に仮想通貨資産をウォレットから取り出したり、違うウォレットに送金する場合は必ず秘密鍵(プライベートキー)を入力する必要があります。仮想通貨取引所から送金をする場合は秘密鍵の入力を取引所が代行しているため、ユーザが直接入力をする必要はありません。
取引所以外のウォレット(MEWやメタマスク、ハードウォレットなど)を使う場合は秘密鍵を自分で管理する必要があり、万が一秘密鍵をなくしてしまうとセルフGOX完了です。2度と資産を取り出すことができなくなり詰んでしまいます。
ホリエモンもセルフGOXした人の一人。上記の動画ではイーサリアムのICOに参加したが、その後秘密鍵をなくしてしまい資産は取り出せなくなったと語っています。
送金アドレスの誤入力
セルフGOXは送金先のウォレットアドレスを間違えると資金が消失してしまいます。仮想通貨のウォレットはことなる種類の仮想通貨を1つのウォレットに保管できる技術がなく、ビットコインをXRPのアドレスに送ることができません。またウォレットアドレスは長い英数字によって表すことができますが1文字でも間違えてしまうとアウトです。
セルフGOXの対策
分散管理
セルフGOXのほとんどは故意ではなく、不注意によって起こるアクシデントです。極論から言えば気をつけすぎていても、やってしまう人はやってしまう失敗なので、できるだけダメージが少ない対処方法を覚えておくべきです。
対処方法は複数のウォレットを保有し、頻繁に使うウォレットとそうでないウォレットを分けておくことが重要です。秘密鍵をなくしてしまうというトラブルが起きても最悪1つのウォレットだけで被害が収まるので、全資産を危険にさらすことがなくなります。
秘密鍵の保管方法
仮想通貨は秘密鍵をなくしてしまうことによって発生しますので、秘密鍵の管理方法には十分気をつける必要があります。推奨される秘密鍵の管理方法は以下の通りです。
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上記に共通する保管方法はオフライン上(インターネットに接続されていない状態)で保管しているということです。インターネットに接続さえていないことによってハッキングリスクを極端に抑えることができる上に、金庫や第三者の手の届かないところで管理することによって盗難される心配もありません。
送信アドレスの管理
最後にセルフGOXを防ぐ方法の1つは送信先アドレスを電話リストのように管理しておくことが重要です。メタマスクなど専用のアプリケーションを使うことにより、アドレスに紐づいた連絡先情報を表示してくれます。決してアドレスだけ見て送信しないように!
はじめて送信するアドレスは少額を送金してみて、無事完了次第アドレス情報を登録し送金するのがおすすめです。