NISAのロールオーバーとは

一般NISAのロールオーバーとは、5年間の非課税期間をさらに5年間延長させる手続きです。

NISA ロールオーバー
出典:金融庁

一般NISAでは、年間120万円までの非課税投資枠が5年分用意されています。

1年目で投資をした120万円以内の資産は5年間保有することができますが、何もしない場合はNISA口座から課税口座(NISAではない特別口座)に資産が自動的に移動されます(図内②)。

1年目に投資した資産を6年目以降も非課税枠として保有し続けるためには、ロールオーバー(図内①)の手続きを行わなければ、6年目以降資産を売却したときには上振れた利益に対して税金が課されてしまいます。


非課税投資枠を超えてもOK

一般NISAの年間非課税枠は120万円ですが、ロールオーバーする場合は資産の上限がありません。


例えば、1年目で120万円分投資した資産が5年目の末までに200万円に成長したとします。

その200万円の資産をロールオーバーする場合、200万円全て非課税枠として6年目以降の非課税枠へ移行することが可能です。

資産が500万円になろうが、1,000万円になろうが、ロールオーバーでは非課税枠として移行することができる仕組みです。

ただし、本来の非課税投資枠は120万円なので、6年目以降新たに非課税投資枠を使って、新規に追加投資をすることはできません(新規で投資をする場合はNISA口座ではなく、課税口座を使って投資をするという意味です)。


NISAが損益通算できない

損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することです。

他の投資や収入でプラスが出ている場合は、投資の損失と利益をを相殺することで、税金支払いが免除されます。

しかし、NISAでの損失は損益通算に加味できないため、ロールオーバー後に資産が減ったとしても対処する方法はありません。


NISAロールオーバーしない場合

NISAでの購入資産をロールオーバーしない場合、資産は課税口座に移管され、翌年の非課税投資枠はリセットされるので、新たに120万円分の投資を5年間非課税で運用することができます。

その際、気を付けてほしいのは課税口座に移管された資産の取得単価が変わることです。


例えば、1年目で100万円分の非課税枠を使って投資後、5年目で資産価値が50万円に減ってしまったとします。

5年目でロールオーバーせず、6年目は課税口座で運用する場合、取得単価は100万円から50万円に切り替わります。

すると、7年目移行で資産が50万円を上振れた分に関しては「利益」と見做されるので、利益に対しては税金がかかる仕組みです。

取得単価が変動する


上記は7年目で50万円の資産が80万円になった場合です。

すると、本来投資金額は100万円で資産価値が20万円減っているにも関わらず、30万円が利益と見做されて、税金を支払うことになります。


NISAロールオーバーはいつまで?

NISAのロールオーバーをするには手続きが必要になりますが、時期や手続き方法は各証券企業によって異なります。

たとえばSBI証券であれば、WEBサイトログイン後、「口座管理」>「口座(NISA)」>「ロールオーバー」画面から「ロールオーバー/課税払出し 銘柄設定へ」とサイトを進めていくと、ロールオーバーする資産を選択することができます。

ロールオーバー手続き SBI
出典:SBI証券

また、受付および申込時期についても各社ことなりますので、詳細は各証券会社のサイトをご確認下さい。


NISAロールオーバーを忘れたら

ロールオーバーの作業をし忘れて知った場合、NISA口座にある資産が課税口座に移管します。

一度課税口座へ移管されると、元の状態へ戻す手続きはできなくなります。