仮想通貨NEM(ネム)とは

富を再分配するNEM(ネム)

New Economy Movement

NEMという名前は「New Economy Movement(新たな経済運動)」の頭文字から由来します。新しい経済活動とは、今の経済(資本経済)の仕組みを変化させるということです。

2018年現在、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスなど世界TOP10に入る資産家の資産総額は、世界の下位50%の資産額と同じにまで達し資産を持っている人がより資産を増やしやすく、貧乏な労働者は資産家以上に資産を増やすことができない世の中となっています。これらは経済学者ピケティも「21世紀の資本」で十分に説明している事実です。

貧乏な人がずっと貧乏のままというのは健全な経済ではありません。誰にも一定のチャンスがあり、十分な資本を得られる経済であるべきです。NEMがこれから作る経済は「資本を持つ人がより資本を持つ社会」から「経済活動に積極的に参加する人が資本を持つ社会」へと変化させることを目的としています。それが富の再分配へとつながります。


NEM(ネム)の概要

NEMの基本情報
項目 詳細
公開日2015年3月31日
トークンシンボルNEM(ネム)
通貨単位XEM(ゼム)
発行枚数8,999,999,999 XEM
トークン新規発行なし
システムProof of Importance
送金コスト10,000XEMあたり0.05XEM
ブロック生成間隔約1分
マルチシグ実装済
NEM専用ウォレットNanoWallet

仮想通貨NEM(ネム)の特徴

Proof of Importance

ビットコインやイーサリアムには「Proof of Work(以下、PoW)」という合意形成アルゴリズムが採用されています。PoWを簡単に説明するならば大量のコンピュータと電気代で最も早く計算処理できたコンピュータに報酬(ビットコインやイーサリアム)を支払うという仕組みです。世界中のコンピュータマシンに競争させることにより、大規模なマイニング企業はビットコインの価格によって経営が支えられることになります。そして、PoWには評価できる点は数多くありますが「大量の資源を消費して電気代を生み出している」ことや「マイニング市場が独占状態にある」という点においては悪い評価が勝ります。

NEMに採用されている合意形成アルゴリズム「Proof of Importance(以下、PoL) 」では報酬を受けるためにビットコインのような計算処理をする必要がありません。報酬は重要度(Importance)というNEM独自の指標(取引量、取引回数、取引相手などの評価)が高いユーザに再分配される仕組みとなっており、コンピュータを動かさなくても報酬をえることができるためビットコインのように電気代を消費することもありません。


ハーベスティング

ハーベスティングとはNEM(XEM)の取引を承認する事によって報酬を得ることです。取引手数料の一部を報酬として受け取るという意味ではビットコインでいうマイニングとよく似た概念となっていますが、先ほど説明した通りNEMではハイスペックなコンピュータを使って計算する必要はありません。以下の要件を満たせば、だれでも取引承認するチャンスが得られます。

ハーベスティングの条件
  • 11,000XEMをNEM専用ウォレット「NanoWallet」に保管
  • 11,000XEM保管した状態から、既得バランスが10,000以上になるまで待つ(20日程度)

実際に私も試してみているのですが、1回の取引で0〜6XEM程度報酬をもらうことができました。

ハーベスティング

多い人だと2桁3桁の報酬をもらっている人もいるそうです。

NEMを収穫できるハーベスティングは自分のパソコンを使って実行する方法と他人のコンピュータに委任する方法があります。他人(スーパーノード)のコンピュータを使ってハーベスティングする「委任ハーベスティング」ではパソコンの電源を切っていてもNEMを収穫可能、10,000XEM以上のNEMを保有しつつ、ハーベスティングをしていれば勝手にNEMが溜まっていく仕組みになります。


NanoWallet

NEMを管理するための専用お財布(ウォレット)であるNanoWalletはios、windows linux上で起動することができ様々な機能が実装されています。

NanoWalletができること
  • NEM(XEM)の管理
  • 独自トークン(Mosaic)の発行
  • 証明証(アポスティーユ)の発行
  • 委任ハーベスティング
  • 投票

NanoWalletはダウンロードして利用しますが、仮にPCが故障したとしてもNanoWalletはログインIDとハスワードさえあれば別のデバイスからでもログインすることができます。(NEMを失うことはありません。)インストールは無料でできるため委任ハーベスティングしたい人にはおすすめです。


アポスティーユ(Apostille)

アポスティーユ(Apostille)とは、証明書の発行、監査、権利の譲渡をブロックチェーン上で実行できるブログラムです。利用用途として、資産価値のある不動産、絵画などの契約書を管理したり、著作権のある音楽や特許を管理などが期待されています。

アポスティーユの用途
  • 不動産や絵画などの所有権
  • 音楽や書籍などの著作権
  • 議事録、タイムカードなどのタイムスタンプ記録
  • 財務諸表や貸借対照表などの情報記録

NEMのシステムは、デジタル通貨だけではなく、証明書もブロックチェーン上で管理できる機能が備わっており、それをアポスティーユが担っています。


モザイク(Mosaic)

Mosaic(モザイク)とは、独自トークンを作るための機能。ネームスペース(モザイクを設定するための枠)と一緒に以下の項目を設定することによって作成することができます。

  • モザイク名:32文字まで
  • 説明:モザイクの説明文(最大128文字)
  • 初期発行枚数:発行上限を設定することも、しないことも調整可能
  • 小数点以下の桁数:小数点以下6桁まで設定可能
  • 譲渡許可:モザイク作成者を含まない者同士の取引の可否
  • 手数料設定:取引手数料を固定もしくは割合で設定可能

モザイクはインターネット上のドメインと同じようにレンタル料がかかります。現在設定されているレンタル料は以下の通りです。

  • ネームスペース:年間100XEM
  • サブネームスペース:年間10XEM
  • モザイク:年間10XEM

1度に設定できるレンタル期間は1年間。期限1ヶ月前から翌年の更新手続きが可能となります。


TipNEM

投げ銭

TipNEMとは、Twitter上で簡単なコマンドをツイートするだけでXEMを好きな相手に送金できる機能です。XEM以外にもMosaicで作成したオリジナルコインを送ることができます。

TipNEMはNEMウォレットを持っていないアカウントにもXEMを送信することが可能です。言い換えれば、TipNEMはツイッター上の投げ銭です。

mijin


NEMではビットコインのような世界中誰でも使えるパブリック型ブロックチェーンの他に、企業や個人事業など限られた人だけが使えるプライベート型のブロックチェーンサービス「mijin」を提供しています。日本のテックビューロ社が開発を進めており、2019年以降はカタパルトという画期的なアップデートが控えています。


仮想通貨NEM(ネム)の今後

ハッキングへの対策

NEMは2018年1月26日に発生したコインチェック流出事件で大きく話題となりました。事件の概要を簡単にまとめると以下の通りです。

NEM不正送金事件
  • コインチェックの複数のPCにマルウェア(ウィルス)が感染し、5億2,600万XEM(当時の価値で500億円相当)が犯人のウォレットに送金される
  • 盗まれたNEMはホットウォレットで管理され、マルチシグ未対応だった
  • NEM財団より、犯人に関わる情報を金融庁へ提出済
  • コインチェックの資産を使って、1XEM88円のレートで顧客資産を補償済

この事件は、顧客資産であるNEMの全額をホットウォレットで管理していたコインチェック社の仮想通貨管理方法、セキュリティ対策に過失があったことは明らかです。NEM財団からも発表があった通り、NEM自体の過失・欠点ではありません。


NEMの有用性拡大

NEM決済は日本にある飲食店でも拡大している側面と企業がNEMのブロックチェーンを採用してサービスを提供している2つの側面において、成長し続けています。

ロンドンを拠点とするフィンテック企業のZeux(ズークス)はApple PayやSamsung Payを受け入れる店舗でNEM決済ができるようになると発表しています。その他にも多くの企業がNEMを採用している事実はNEMの公式サイトで確認することができます。


カタパルト

2020年にはNEMのアップデートプログラムとなる「カタパルト」が実装される予定。クレジット決済のVISAに匹敵するほどのスループットを実現できる可能性があり、今までとは比べ物にならないほど高性能な機能が追加されていきます。詳しくは「NEMのカタパルトはいつ実装される?【2019年最新】」をご覧ください。


仮想通貨NEM(ネム)の購入方法

コインチェック

2019年6月時点でNEMを日本で購入するにはコインチェックしかありません。これから口座を開設してNEMを購入する場合は以下のバナーからお進みください。


コインチェック公式HPはこちら



Zaif

NEMはBinanceやHuobiなど世界の主要仮想通貨取引所にも上場していますが、ETHやXRPと比べるとまだまだ上場している取引所は多くありません。そして、世界で1番流通している取引所が日本のZaif(ザイフ)です。

日本の仮想通貨取引所は海外のCoinbaseなどと比べるとセキュリティ対策では一歩劣りますが、日本円から仮想通貨に換金するときの手数料を考えると圧倒的に安く交換することができます。ただし、ハッキング被害以降は新規登録を停止しているため未登録の方は購入できません。


Zaif公式HPはこちら