仮想通貨Kyber Network(KNC)とは

Kyber Networkとは仮想通貨をユーザ間で直接取引ができるプログラム「DEX(分散型仮想通貨取引所)」の一つです。
ERC20トークン「KNC」
Kyber Networkが発行する独自通貨「KNC」はイーサリアムのブロックチェーンをベースに作られたERC20トークンのため、ブロック生成間隔や合意形成アルゴリズム(Proof of work)はイーサリアムに依存します。
項目 | 詳細 |
プロジェクト名 | Kyber Network |
通貨単位 | KNC |
公開日 | 2017年9月 |
システム | PoW |
発行上限 | 2億2,600万KNC |
トークン規格 | ERC-20 |
ブロック生成間隔 | ETHに依存 |
創設者 | Loi Luu |
現在の価格と時価総額(marketcap)はcoinmarketcapのKyber Network (KNC)チャートで確認することができます。
Kyber Networkの仕組み
取引板がないKyber Network
Kyber NetworkにはビットフライヤーやZaifのようなオーダーブック(板情報)はありません。仮想通貨の交換レートは複数のデータソースから最適価格を見つけ出し決定されます。ユーザは取引時にKyberNetwork上で表示された数量と交換レートを確認後に取引を実行することができるため、不本意な交換レートで取引が成立することもありません。
マッチングのような取引
左側の女性が自分のウォレットからKyber Networkへ1ETHでBTCの買い注文を出します。そのあと右側の男性のようにマッチングする相手が見つかれば交換が成立し、同時にKyber Networkへの支払いとそれぞれのウォレットへの送金が完了するというのがKyber Networkの仕組みの例えです。
ウォレットがあれば取引できる
Kyber Networkは仮想通貨を交換するプログラムなので、専用のウォレットを必要としません。以下のような仮想通貨ウォレットを持っていれば使うことができます。

Kyber NetworkはLedgerやTrezorなどのハードウォレットからの取引も可能です。
豊富な仮想通貨銘柄に対応している
Kyber Networkで取引できるトークン(仮想通貨)は、52種類(2018年9月21日時点)。OmiseGOやABT、DAIなど面白いブロジェクトが揃っているため、Binanceなどで取り扱っていない仮想通貨をトレードすることもできます。
取引手数料が安いKyber Network
KyberNetworkの手数料は無料と設定されていますが、実際にはスプレッドの差で小さい利益をあげる仕組みとなっています。KyberNetworkの仕組みは以下の4つの存在によって成り立っています。
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リザーブコントリビューター(Reserve Contributor、寄付者)とは、KyberNetworkへETHやKNCなどの仮想通貨資金を貸し付ける存在。貸し付けている期間中リザーブコントリビューターはスプレッドで設定された利率に応じて収益の一部を報酬として受け取ることができます。言い換えるならばソーシャルレンディングや不動産(賃貸)投資のように自分の所有物を第三者に貸し付けることによって配当金収入を得るのがリザーブコントリビューターの役割です。
リザーブマネージャー(Reserve Manager)は、適正な仮想通貨の交換レートをユーザに提示したり、需要の多いトークンを供給する役割を持っています。そして、リザーブマネージャーとリザーブコントリビューターは同一主体であることがほとんどです。ユーザに不利な条件を提示するリザーブマネージャーは淘汰され、ユーザに有利な条件を提示するリザーブマネージャーほど取引量は多くなるが利益率が悪くなるという仕組みが実現されています。
KyberNetworkオペレーター(Kyber Network Operator)は取り扱いトークンの上場や廃止を決定したり、リザーブマネージャーの追加や除外をするようなネットワーク全体管理をする役割であり、KyberNetwork運営側が管轄しています。
Kyber Networkの使い方
Kyber Networkを利用するのはそんなに難しいことではありません。手順を見てみると、5通りの作業をするだけで仮想通貨の交換ができてしまいます。
Kyber Network使い方手順 |
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metamaskとハードウォレットがおすすめ
手順2では上図のように利用するウォレットを選択する画面が表示されます。この際「JSON」と「PRIVETE KEY」を選んでしまうと、WEB上で秘密鍵を貼り付けなければいけません。
MyEtherWalletのDNSが書き換え事件を考慮すれば、あまりおすすめできる方法ではありません。Kyber Networkを利用する際は「metamask」もしくはTrezorやLedgerなどのハードウォレットを選択する方がセキュリティが高く、おすすめできる方法となります。
Kyber Networkの将来性
DAppsゲーム「Etheremon」と連携
38,000種類のモンスターと30万回以上のバトルが行われているイーサリアムのDAppsゲーム「イーサエモン(Etheremon)」。ブラットフォーム内でレアモンスターを購入するにはETH(イーサリアム)とEMONT決済しか受け付けない仕様でプレイする前にイーサリアムを用意しておく必要があります。
これがKyber Networkの統合により、Kyber Networkで交換できるトークン(OMGやDAIなど)でETHと交換することなく、直接モンスターを購入したり決済として利用することが可能となりました。
kyber公式ブログ:イーサエモンは、Kyberのオンチェーン流動性プロトコルを通し、ERC20トークンでの決済を受け付けます。
Kyber Networkの若いCEO
【@KyberNetwork CEO @loi_luu さんの経歴】
― 三上蒼太♯Dương🇻🇳 (@sota_mikami) 2018年4月27日
・1991年生の27歳
・高校生の頃、学生情報学賞受賞
・ハノイ国家大学でCSの学位取得。最優秀学生
・NUSでブロックチェーンとeマネーのPhD取得。CS学科の最優秀学生
シンガポールで受け取った奨学金をベトナムに送金するのに苦痛を感じ、Kyberを作ったと。 pic.twitter.com/byqzPz1W6g
Kyber NetworkのCEOはまだ28歳のLoi Luu(ロイ・ルー)氏です。Loi氏は2014年にはじめて仮想通貨に触れ、シンガポール国立大学の仲間たちと共に仮想通貨について研究し、プロジェクトを立ち上げていきます。彼の半生ととにもKyber networkのビジョンがトークンエコノミーの可能性を与えることとして公式ブログにも語られています。

そして予定されているロードマップは以下の通りです。
2018年第1四半期
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2018年第2四半期
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2018年第3四半期
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2018年第4四半期
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2019年前半
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2019年第2四半期
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イーサリアム創始者も参加
Kyber主催の、ベトナム・ハノイでのEthereum ミートアップの様子です!CEOの @loi_luu と @VitalikButerin 氏のパネルディスカッション、Vitalik氏のEthereumのスケーラビリティソリューションに関するピッチでは多くの出席者が耳を傾けてくれました。 pic.twitter.com/lZWKJMOh7M
― Kyber Network_JP (@kybernetwork_JP) 2018年9月18日
Kyber Networkのアドバイザーにはイーサリアムの創始者ヴィタリクも参加しています。イーサリアムはKyber Networkをはじめとした新しい仮想通貨プロジェクト(Dapps)を作り出した根幹ブロジェクトです。
今後もPlasmaやShardingなどのイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する技術革新が起きる仮想通貨市場ではかかせないパートナーシップであることは間違えありません。
Kyber Networkトークン(KNC)の購入方法
KyberNetworkトークン(KNC)はETHを持っている方であればKyber Networkを使って取引する事をおすすめしますが、仮想通貨資産を持っていない方は日本の仮想通貨取引所を経由後「BINANCE」「Huobi」「OKEx」で購入する必要があります。
KyberNetworkトークン(KNC)の購入方法 |
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