こんにちは。Gazです。
先日、Twitterで以下の内容を発信しました✨
クラウド会計の大手企業である
— Gaz(ガズ) (@gazooblog) February 28, 2020
「Intuit (イントゥイット)」
時価総額700億ドルを超える
巨大企業のPSRが
11倍 → 9倍へと
割安になりましたね✨
ただし、
ストック収益比率が
他の企業と比べて少ない点
製品ラインナップの少なさを考えれば
私はまだ投資できないかな。。。
本記事では【 intuit(INTU)の銘柄分析と株価予想 】について解説していきます。
intuit(INTU)の銘柄分析
intuit(INTU)を分析する時のポイントは以下のとおり。
- 売上と営業利益率の進捗
- サブスク比率
- 競合と株価
intuitの売上進捗を見ると年間推移は綺麗に右肩上がりですすが、四半期ごとの売上にはすごくムラがでています。
これにはいくつかの問題点がありますが、消費者目線でintuitの商品サービスをを分析するのでれば年間通して月額課金を支払うのが高すぎるということにもなりそうです。
長期的に見ればS&P500よりも大きくアウトパフォームしているintuitの株価ですが、今後intuitが月額課金の売上比率を伸ばしていけるのかということがこの銘柄を分析する上で最も重要な課題となります。
intuitとはどんな会社?
項目 | 詳細 |
本社所在地 | 米国カリフォルニア州 |
設立日 | 1983年 |
創業者 | スコット・クック、 トム・プロル |
ティッカー | INTU |
時価総額 | $70.012 B(約7.63兆円) |
株価 | $268.77 |
年初来リターン | 2.61% |
PER | 43.43 |
PSR | 9.82 |
intuit(イントゥイット)は個人から法人または会計士までの税務処理をサポートするソフトウェア開発および販売をする企業です。
日本企業に例えるのであれば、弥生会計とマネーフォワードやfreeeの業態と似ており、会計ソフト「QuickBooks(クイック・ブックス)」などをオンライン(クラウド)型とダウンロード型で提供しています。
事業は個人向けの税務サポートの比重が高く、mint(ミント)、TurboTax(ターボ・タックス)など無料で利用できるソフトウェアも提供することで米国での会員数は5,000万人を超えており、潜在的顧客の獲得にも成功している企業となります。
実際の製品は以下のページから確認することができます。
日本の投資家にとって馴染みのない「intuit」ですが、それもそのはず。
intuitの収益のほどんどが米国国内のみとなります。
intuitの売上進捗
※参照元:intuit HP(単位:$ millions)intuitの売上は右肩上がりではありません。
税務が必要となる3Qだけ他の時期と比べると2倍以上の売上が発生します。
そして利益率も60%と高水準まで跳ね上がる構造です。
グラフが見づらい場合は以下の表をご確認ください。
四半期 | 総売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
2018年1Q | 910 | 65 | 7% |
2018年2Q | 1,339 | 294 | 22% |
2018年3Q | 2,912 | 1,700 | 58% |
2018年4Q | 864 | -15 | -1.7% |
2019年1Q | 1,016 | 102 | 10% |
2019年2Q | 1,502 | 339 | 23% |
2019年3Q | 3,272 | 1,888 | 58% |
2019年4Q | 994 | -47 | -4% |
2020年1Q | 1,165 | 129 | 11% |
2020年2Q | 1,696 | 384 | 23% |
売上にムラがある理由は2つ。
- サブスク比率が低い
- 包括的なサービスができていない。
intuitはクラウド会計ソフトウェアを提供する企業ですが、ストック(月額課金)収入となるサブスク比率は31%(2020年2Q時点)しかありません。
7割程度の売上はショット(一時的な)収入となるので、売上の変化率が激しくなります。
ちなみに、セールスフォースやマネーフォワードがサブスク比率が高いため、四半期ごとに売上も安定して右肩上がりに推移しています。
詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
もう一つ、intuitの売上にムラがあるのは、商品ランナップ数の少なさです。
intuitが提供するのは財務会計のソフトウェアに注力をしており、その他の顧客管理や資産管理などの領域には強くありません。
2020年2月に競合企業である「Credit Karma」を71億ドルで買収したことが発表されました。
今後はクレジットレポートデータを活用したソフトウェア開発や新商品が提供されていくと予測されています。
intuit(INTU)の株価予想
intuitの株価は競合と比較することによって、割高感を図ることができるはずです。
以前、マネーフォワードの銘柄分析でも紹介しましたがニュージーランドにあるXeroがクラウド会計ソフトウェアの競合企業になります。
今回は日本株のfreeeやマネーフォワードも交えて解説していきます。
競合分析(ベンチマーク)
項目 | INTU | XRO | freee | money forward |
株価 | 29,295円 | 5,229円 | 3,410円 | 4,610円 |
時価総額 | 7.63兆円 | 7,296億円 | 1,641億円 | 1,086億円 |
PSR | 9.82 | 17.91 | 24.49 | 14.07 |
年初来リターン | 2.61% | -7.94% | 5.74% | -11.20% |
直近1年のリターン | 9.57% | 55.05% | - | 24.16% |
intuitは他のクラウド会計ソフトを提供している企業と比べると、PSR(株価売上高倍率)が最も割安です。
他のSaaS企業と比較しても中央値は10〜12倍くらいなので、freeeやXeroが割高傾向にあるもののintuitの株価に関してはそれほど加熱し過ぎていないと捉えることができます。
ここからは個人的見解となりますが、先ほども説明した通りintuitは「サブスク比率が低い」「利益率にムラがある」などの理由により株価があまりあがっていないことも懸念されます。
事業の収益性や将来を判断した場合に、競合と同じレベルまで株価が引き上げられるか否かは疑問です。
PSRが8倍以下の数値になった時に始めて検討レベルに入るでしょうし、私個人としては年間収益は安定していても四半期ごとの収益にムラがあるということがすごくネックになります。
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