こんにちは。Gazです。

先日、Twitterで以下の内容を発信しました✨

本記事では【 intuit(INTU)の銘柄分析と株価予想 】について解説していきます。


intuit(INTU)の銘柄分析

税務

intuit(INTU)を分析する時のポイントは以下のとおり。

  • 売上と営業利益率の進捗
  • サブスク比率
  • 競合と株価

intuitの売上進捗を見ると年間推移は綺麗に右肩上がりですすが、四半期ごとの売上にはすごくムラがでています

これにはいくつかの問題点がありますが、消費者目線でintuitの商品サービスをを分析するのでれば年間通して月額課金を支払うのが高すぎるということにもなりそうです。

長期的に見ればS&P500よりも大きくアウトパフォームしているintuitの株価ですが、今後intuitが月額課金の売上比率を伸ばしていけるのかということがこの銘柄を分析する上で最も重要な課題となります。


intuitとはどんな会社?

intuit(イントゥイット)の概要
項目 詳細
本社所在地米国カリフォルニア州
設立日1983年
創業者スコット・クック、
トム・プロル
ティッカーINTU
時価総額$70.012 B(約7.63兆円)
株価$268.77
年初来リターン2.61%
PER43.43
PSR9.82
※参照元:Bloomberg(2020年2月28日時点)

intuit(イントゥイット)は個人から法人または会計士までの税務処理をサポートするソフトウェア開発および販売をする企業です。

日本企業に例えるのであれば、弥生会計とマネーフォワードやfreeeの業態と似ており、会計ソフト「QuickBooks(クイック・ブックス)」などをオンライン(クラウド)型とダウンロード型で提供しています。

事業は個人向けの税務サポートの比重が高く、mint(ミント)、TurboTax(ターボ・タックス)など無料で利用できるソフトウェアも提供することで米国での会員数は5,000万人を超えており、潜在的顧客の獲得にも成功している企業となります。

実際の製品は以下のページから確認することができます。


日本の投資家にとって馴染みのない「intuit」ですが、それもそのはず。

intuitの収益のほどんどが米国国内のみとなります。


intuitの売上進捗

Intuit PL
※参照元:intuit HP(単位:$ millions)

intuitの売上は右肩上がりではありません。

税務が必要となる3Qだけ他の時期と比べると2倍以上の売上が発生します。

そして利益率も60%と高水準まで跳ね上がる構造です。

グラフが見づらい場合は以下の表をご確認ください。

intuitの売上と営業利益率
四半期 総売上 営業利益 営業利益率
2018年1Q910657%
2018年2Q1,33929422%
2018年3Q2,9121,70058%
2018年4Q864-15-1.7%
2019年1Q1,01610210%
2019年2Q1,50233923%
2019年3Q3,2721,88858%
2019年4Q994-47-4%
2020年1Q1,16512911%
2020年2Q1,69638423%
※参照元:intuit HP(単位:$ millions)

売上にムラがある理由は2つ。

  • サブスク比率が低い
  • 包括的なサービスができていない。

intuitはクラウド会計ソフトウェアを提供する企業ですが、ストック(月額課金)収入となるサブスク比率は31%(2020年2Q時点)しかありません。

7割程度の売上はショット(一時的な)収入となるので、売上の変化率が激しくなります。

ちなみに、セールスフォースやマネーフォワードがサブスク比率が高いため、四半期ごとに売上も安定して右肩上がりに推移しています。

詳しくは以下の関連記事をご覧ください。


もう一つ、intuitの売上にムラがあるのは、商品ランナップ数の少なさです。

intuitが提供するのは財務会計のソフトウェアに注力をしており、その他の顧客管理や資産管理などの領域には強くありません。

2020年2月に競合企業である「Credit Karma」を71億ドルで買収したことが発表されました。

今後はクレジットレポートデータを活用したソフトウェア開発や新商品が提供されていくと予測されています。


intuit(INTU)の株価予想

intuitの株価は競合と比較することによって、割高感を図ることができるはずです。

以前、マネーフォワードの銘柄分析でも紹介しましたがニュージーランドにあるXeroがクラウド会計ソフトウェアの競合企業になります。

今回は日本株のfreeeやマネーフォワードも交えて解説していきます。


競合分析(ベンチマーク)

競合比較
項目 INTU XRO freee money
forward
株価29,295円5,229円3,410円4,610円
時価総額7.63兆円7,296億円1,641億円1,086億円
PSR9.8217.9124.4914.07
年初来リターン2.61%-7.94%5.74%-11.20%
直近1年のリターン9.57%55.05%-24.16%
※参照元:Yahoo!ファイナンス(2020年2月28日時点)

intuitは他のクラウド会計ソフトを提供している企業と比べると、PSR(株価売上高倍率)が最も割安です。

他のSaaS企業と比較しても中央値は10〜12倍くらいなので、freeeやXeroが割高傾向にあるもののintuitの株価に関してはそれほど加熱し過ぎていないと捉えることができます。


ここからは個人的見解となりますが、先ほども説明した通りintuitは「サブスク比率が低い」「利益率にムラがある」などの理由により株価があまりあがっていないことも懸念されます。

事業の収益性や将来を判断した場合に、競合と同じレベルまで株価が引き上げられるか否かは疑問です。

PSRが8倍以下の数値になった時に始めて検討レベルに入るでしょうし、私個人としては年間収益は安定していても四半期ごとの収益にムラがあるということがすごくネックになります。


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