会社員なら誰でも払っている所得税。

所得税は会社から自動的に給料から天引きされるため、注意してみてみないと自分がいくら払っているかを把握しにくい税金です。


今回は自分が支払っている年間所得税額を確認するとともに、合法的に税金を支払わない節約方法を解説していきます。




年収別の所得税を計算

年収別に所得税を計算すると以下の通りとなります。

年収別所得税一覧
年収 課税所得 所得税率 所得税額
100万円0円5%0円
200万円559,000円5%27,950円
300万円1,105,000円5%55,250円
400万円1,727,000円5%86,350円
500万円2,369,000円10%139,400円
600万円3,011,000円10%203,600円
700万円3,733,000円20%319,100円
800万円4,514,000円20%475,300円
900万円5,275,000円20%627,500円
1,000万円6,133,000円20%799,100円

年収100万円に注目すると、所得税はゼロとなっています。

所得があるにもかかわらず税金を払う必要がなくなる(もしくは支払う金額が少なくなる)のは、「税制控除(ぜいせい・こうじょ)」と言われる日本の税金ルールがあるからです。


年収400万円であれば、毎年の所得税が約8.6万円支払っているということが理解できれば十分です。

次に所得税の計算方法について考えていきましょう。


所得税の計算方法

所得税の計算はちょっと複雑です。

計算式に直すと、以下のようになります。

    課税所得 × 所得税率 - 控除額 = 所得税

この計算式を見ても、一瞬で理解するは難しいはず。


「課税所得って何?」

「所得税をかけた後、また控除額を引くのはなぜ?」

など、いろいろな疑問がでてくるはずです。

これからひとつずつ説明をしていきますので、読み進めてみてください。


年収と課税所得の違い

所得税を理解するためには「課税所得」を知るべきです。


課税所得とは、年収から各種税制控除金額を差し引いた金額のこと。

計算式に直せば、以下のようになります。

    年収 - 税制控除 = 課税所得

所得税の支払いを少なくする税制控除はたくさんの種類があります。


所得税の支払いを少なくする税制控除
  • 基礎控除
  • 給与所得控除
  • 社会保険料控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 医療費控除
  • 寄付金控除
  • 小規模共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 雑損控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除

基礎控除、給与所得控除は給与をもらっている方全員に当てはまる税制控除です。

アルバイトが年間103万円の収入を超えないように意識するのは、基礎控除と給与所得控除のおかげで課税所得が0円となります。そのため所得税を支払わなくて済むからです。


基礎控除以外にも家族構成や高額な医療費がある場合などに応じて、課税所得が少なくなっていく仕組みとなっています。


所得税の計算式

自身に関わる税制控除が理解し課税所得を算出できるようになれば、所得税を計算するのは簡単です。

課税所得に合わせて以下の計算式を組み立てましょう。(出典:国税庁HP

所得税の計算式
課税所得 所得税の計算式
195万円以下課税所得 × 5%
195万円を超え
330万円以下
課税所得 × 10% - 97,500円
330万円を超え
695万円以下
課税所得 × 20% - 427,500円
695万円を超え
900万円以下
課税所得 × 23% - 636,000円
900万円を超え
1,800万円以下
課税所得 × 33% - 1,536,000円
1,800万円を超え
4,000万円以下
課税所得 × 40% - 2,796,000円
4,000万円超課税所得 × 45% - 4,796,000円

仮に課税所得が200万円だった場合は「200万円 × 10% - 97,500円」という計算です。

所得税額は102,500円ということになります。


何度も言いますが、年収と課税所得は別なので混同しないよう要注意してください。


会社員ができる税金対策

税金

所得税が計算できるようになると、年間で相当な金額を国税庁に取られていることがわかります。

年収800万円ともなれば年間で50万円近い所得税を支払うこととなり、決して小さな額とは言えません。


ここからは「所得税を少しでも減らしたい」「支出を減らしたい」という方に向けて、いくつかの税金対策を説明していきます。


ふるさと納税

所得税の税金対策1つ目は「ふるさと納税」です。


正確にいえば、ふるさと納税に減税効果はありません。

しかし、最終的な家計の節約効果は抜群。

支出を抑える方法として、ふるさと納税を利用しない手はありません。


ふるさと納税とは、好きな自治体へ寄付によって返礼品をもらうことができる制度です。

仮に10万円分のふるさと納税をすると、98,000円分の所得税および住民税が免税されます。

返礼品の価値は寄付額のおおよそ2割〜3割程度のため、10万円を寄付すると2万円から3万円分の返礼品やサービスを受け取ることができるようになります。


つまり、ふるさと納税は実質たった2,000円の出費でで2万円から3万円の食材などを購入することができる制度。

お米やお肉、海鮮系の食材がふるさと納税では大人気商品となっています。


ふるさと納税は所得税が高ければ高いほど、ふるさと納税の上限金額が高くなります。

さらに所得が低くても条件を満たせば利用可能ですし、年金受給者でもふるさと納税は利用することができます。


詳しは以下の記事を参考にしてください。


医療費控除

所得税の税金対策2つ目は「医療費控除」です。

医療費控除とは、年間の医療費が10万円を超えた場合に超過分の医療費が控除対象になる制度。

大きな病気をした場合であれば年間10万円の支出はすぐにいきますが、病気で通院がない方々にとっては年間10万円は高いハードルとなります。


今回紹介するのは医療費控除の中でも、2017年からスタートした「セルフメディケーション税制」です。

セルフメディケーション税制は年間1.2万円を超える市販薬を購入した場合に税制控除が受け取れる制度。

健康診断を受けており、特定の市販薬を購入することで簡単に税制控除を受けることができます。

ただし、現行の医療費控除と併用することができないので要注意。


詳しくは以下の記事をご覧ください。