仮想通貨の特徴である送金コストの安さと法定通貨の安定した価値という特徴を併せ持ったステーブルコインが人気となっています。中でもアメリカの仮想通貨取引所Coinbaseと決済大手サークルが共同出資するステーブルコインUSDCが話題です。この記事ではステーブルコインの2大巨頭であるUSDCとUSDTとの違いについて解説していきます。




仮想通貨USDCとは

USDCはアメリカの仮想通貨取引所Coinbaseと仮想通貨事業を展開する企業Circle(サークル)から創業した「centre」によって開発された米ドルのステーブルコイン(価値変動がないあ、価格が安定した仮想通貨)です。


ERC20トークン

USDCはイーサリアムのブロックチェーンを利用したERC20という規格で作られたトークンなので、MyEtherWalletメタマスクのウォレットに保管することができます。


USDCの概要

USDCの基本情報
項目 詳細
発行元centre
通貨単位USDC
公開日2018年10月
トークン規格ERC-20
発行上限なし
公式サイトこちら
ホワイトペーパーこちら
ブログこちら
時価総額CoinMarketCap

USDCとUSDTの違い

オープンソース

Tether社が発行するUSDTなど他のステーブルコインとUSDCの大きな違いは「オープンソース」であるということ。オープンソースとは利用、修正、配布などを目的に関わらず許可している製品(ソフトウェア)のことを意味します。

オープンソースであるUSDCはcentre以外でもUSDC発行者になることが可能です。USDC発行者になるためにはいくつかの条件を満たす必要がありますが、今後centreは幅広いメンバーシップを展開していく予定です。

USDC発行者条件
  • 営業管轄内の該当するすべてのライセンスを保持
  • FATF基準を満たすAMLおよびコンプライアンスプログラムを監査
  • 発行されたトークンで埋蔵量を1:1で保有
  • 認定された公的審査員が証明した埋蔵量の毎月公表された証拠を提供
  • 他の権限を与えられた発行者からUSDCトークンの売買をサポート
  • centreによって確立された報告およびレビュー要件を満たすこと

信憑性が高い

ゴールドマンサックスが投資をするサークルは2019年5月17日にUSDCの監査結果をブログで報告Grant Thorntonの調べでは現時点で準備金を超えるトークンは発行されていないと発表されています。

対してUSDTでは準備金を超えるトークンを発行している疑惑があり、2019年4月にニューヨーク州のレティーナ・ジェームズ司法長官が運営元であるifinexを訴訟。ifinexはUSDT発行以外にもビットフィネックスという仮想通貨取引所を運営しており、不正にUSDTを使用した疑いをかけられています。万が一不正に発行されたUSDTをビットコインや他の仮想通貨へ交換していたとすれば資産を捏造したことと同じです。