仮想通貨のBurn(バーン)とは
Burn(バーン)とは文字通り「焼却する」という意味で使われます。仮想通貨界隈で使われるBurn(バーン)はトークン(暗号通貨)を永久に利用不可能な状態にすることという意味になります。
たとえば、ハードキャップ(上限目標)が100BTC、ソフトキャップ(成功目標)が50BTCのICO(トークンセール)があった場合に、結果として50BTC分しか売れず、残りの50BTC分が売れ残った場合プロジェクト側の判断でトークンをバーンすることがあります。トークンがBurnされると、市場ニーズに合わせて多く供給しすぎたトークンを永久に利用不可能な状態にすることが可能です。
仮想通貨をBurnする意味
希少性を高める
ものの価値というのは稀少性によって左右されます。たとえば、埋蔵量が決まっている金(ゴールド)やビットコインの量が現存する数よりも半分になれば、価値も2倍以上に高騰するはずです。有名画家が描いた絵画やウォーレンバフェット氏との食事会が高値で取引されるのも特定の市場において希少価値が高いからに他なりません。
話を戻すと、仮想通貨をBurnするということは市場に存在する仮想通貨(トークン)の量を減らして、希少性高めること。仮想通貨の価値は仮想通貨を買いたい人と売りたい人のバランスで決まります。仮想通貨の量が減れば減るほど売りやすくはなるが、買うのが難しくなるため、価値は高騰しやすくなります。(ただし、Burnをすれば必ず価値が上がるというわけではありませんので注意です。)
需要と供給量の調節
2017年から2018年のビットコインやイーサリアムの値動きを見れば明らかですが仮想通貨はボラティリティが高く、価値が固定されていないため、一般的な通貨として利用することが難しくなっています。たとえば、飲食店でお客様から仮想通貨で支払いをしてもらった後に仮想通貨の価値が暴落してしまうと、お店側は次の商品を仕入れるための資金が足りなくなってしまうという自体に陥ってしまうからです。このような側面によりボラティリティの高い通貨は流通しにくいと言えます。
仮想通貨をBurnすることである程度ボラティリティを緩和する効果が生まれます。先ほど仮想通貨をBurnすると希少性が高まりやすいことを説明しましたが、価格が下がりやすい仮想通貨においてはBurnすることによって、価格の下落を抑制することができます。実際に価値が一定に保たれているステーブルコインでもこの手法を取っているところがあります。
ロックアップよりも効果的
Burnとよく似た考え方で「ロックアップ」というトークンの供給を固定する手法があります。ロックアップとは、一定期間運営側が保有している仮想通貨(トークン)を売らずに保管し続けるという制度です。
ただし、ロックアップは期間終了後に市場に供給されることが前提のため、希少価値をあげる効果はBurnよりも強くはありません。ロックアップの事例としてXRPが代表的です。詳しく知りたい方は「リップルのロックアップはいつまでかを解説」をご覧ください。
仮想通貨をBurn(バーン)するデメリット
価値が上がると断言できない
Burnによって「トークンの価値が上がる」と解説しているサイトも多く存在します。確かに市場に出回るトークンの数が減ることで、一件あたりのトークンの希少性は高まるかもしれません。しかし、希少性が高まることと価値が上昇するという事象は全く別物です。
Burnによって希少価値が高まったと考える人が多ければ価値があがりますが、Burnするほどトークンを市場に供給しすぎた(もしくはプロジェクト側が市場のニーズを見誤った)と判断する人が多ければ、Burn後に価値が下落します。仮想通貨のBurn情報を察知して、価値が上昇すると考える人は急ぎ足にならないように気をつけましょう。すぐ落とし穴にはまってしまうかもしれません。
仮想通貨のBurn情報
バイナンスコイン(BNB)
Burnされる仮想通貨の実例は仮想通貨取引所Binanceが発行するBinance Coin(BNB)が最も有名です。
Binance Coin(BNB)の特徴 |
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Binanceは2017年7月8日に発行したBNBを定期的にバーンイベントを開催することによって、市場からの注目と希少性の向上を図り、最終的に価値の上昇を狙っています。