稲畑産業（8098）の創業は1890年10月に稲畑勝太郎が京都市で稲畑染料店を開業したのが始まりとされており、1918年に個人経営から株式会社稲畑商店へ組織変更後、1943年に現在の稲畑産業へ商号変更しています。
事業内容は以下4つの事業に分かれますが、総じて合成樹脂の専門商社です。
合成樹脂事業の取引先や用途はバランスよく分散されていますが、主軸は自動車用材料で日系企業のアジアを中心とした海外事業が大半を占めます。
このように合成樹脂ビジネスで成功している例は珍しく、高配当ポートフォリオを形成する上では他の銘柄と市場がかぶりにくいという意味で分散投資に重宝されやすい銘柄とも言えます。
情報電子セグメントではTVやスマホ・タブレット端末のディスプレイ関連が大半を占めており、成長産業である半導体のフォトマスク関連などの需要も取り込んでいます。
稲畑産業の株主還元
2025年2Q決算時点で売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新しており、業績好調の稲畑産業は株主還元にも積極的で１株当たりの配当額については前年度実績を下限とし、減配は行わず、継続的に増加させていくことを基本方針としています。
過去10年間の増配率は3.7倍、2025年3月期では7期連続の増配を計画しています。
稲畑産業の事業リスク
稲畑産業のビジネスは主に国内とアジア圏が大半を占めており、アジア経済に大きな影響を受けます。
為替にも要注意です。
欧米での事業にはまだ頭角を表していないため、今後のビジネス拡大が鍵です。
バフェット効果もあり
大手総合商社を筆頭として2020年8月よりバフェット効果によって万年割安株から急成長を遂げており、稲畑産業もその影響を多分に受けています。
最近になってアップル株等を中心として株を売りまくっているバークシャーですが、仮にバフェット効果から外れてしまうと株価も逆回転する可能性があるので要注意です。
商社は景気敏感株とも言われますから、ある程度の乱高下には耐える必要があります。
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