JT(日本たばこ産業株式会社)は大蔵省の外郭団体だった日本専売公社の全額出資により1985年に設立された国営企業です。
事業売上の9割はたばご事業となり、世界130以上の国と地域で販売する世界3位のたばこメーカーです。
出所:統合報告書2023JTの事業リスク
たばこは健康被害があることは広く認知されており、先進国など経済発展がす進む国ほどタバコ需要が減少傾向かつたばこ製造に対する規制や課税は強くなる一方、新興国や発展途上国では需要増となる傾向があります。
過去の日本を想像すると理解が深まりますが、バブル期までは新幹線やレストランなどあらゆる場面でタバコを吸う人がいて、灰皿も至る所に設置されていましたが、今日現在では喫煙できるスペースがどんどん狭く、少なくなっています。
この傾向は他の国でも同様です。
JTとしては紙巻たばこに比べて健康被害の少ないとされる「加熱式たばこ(Ploom)」の販売促進と価格改定により売上を拡大させる戦略があります。
出所:JT 2024年度 第3四半期 決算説明資料さらに米国で約90億本の販売数量を誇るVector Group Ltdを買収したことにより、JTグループは米国における第4位のポジションを獲得しました。
これらの要因により2024年度の売上は前年度比+11.3%へ上方修正されます。
カナダでの訴訟が公表される
先進国になるほど規制が強くなりますが、今月カナダでJT・PMI・BATの大手3社に対して訴訟が水面化で行われていたことが発表され、その和解金は3社に対して総額325億カナダドル(約3兆4,400億円)が提示されているとのことです。
上記の件に関して、JTの決算資料では以下のように回答されています。
JTI-MCは、非常に複雑な手続である中でも、多くの点で進展があったと認識。和解に向けた動きを支持するものの、現在の再生計画案にはいくつかの重要な課題があり、同意することはできないと考えている。そのため、裁判所に対して再生計画案を支持しない旨を伝え、また解決に向けたプランを2024年10月24日に提出。
2024年9月末時点の、JTI-MCの保有する現金及び現金同等物は、約1,580億円。なお、再生計画案では、たばこ会社間における和解金の按分方法については未解決である旨明記。
引用元:JT 2024年度 第3四半期 決算説明資料
以下は古い資料ですが、タバコに課される税金は海外ほど高い傾向にあり、医療費負担は税収よりも大きい傾向にあるそうです。
出所:厚生労働省ゆえにタバコに対する訴訟リスクや税制の強化は今後も起こることが予想されます。
JTの株価
過去のJTの株価を見ると3年〜4年周期ぐらいで株価がお椀型になる傾向があります。
出所:kabutan世界経済に連動する動きと考えられますが、景気が良ければ新興国や発展途上国のタバコ需要も増えやすく、逆に経済が苦しかったり、地政学的リスクが高い時ほど株価は伸びにくいのかもしれません。
過去の株価は未来を保証しませんが、過去の傾向も念頭においておくと良いはず。
JTの株主還元
JTは配当性向75%を目安(±5%程度の範囲内で判断)として株主還元の向上を目指しています。
過去10年間の増配率は1.94倍とそれほど高くはありませんが、配当利回りが高く、高配当株として人気となっています。
出所:IRBANK2024年10月31日終値時点での配当利回りは、4.53%です。
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