小松製作所(6101、以下コマツ)は石川県小松市にて、創業者である竹内明太郎が開発した遊泉寺銅山を採掘する鉱山機械を製作した小松鉄工所が母体となり、1921年5月13日に設立されました。
コマツの昨年度の売上高は3.8兆円ありますが、そのほとんどがショベルカーやブルドーザーなどの建設用機械、トラックやダンプカーなどの鉱山用機械の開発・製造・販売です。
出所:コマツレポート2024小松製作所の強み、将来性
コマツは建設・鉱山用機械市場でのシェアはキャタピラー社に次ぐ、世界2位です。
コマツは世界中に生産拠点が67、販売拠点78、部品やリマン等の拠点を90、合計235拠点を展開し、海外売上比率が91%(2023年度実績)もあります。
そんなコマツの特徴は世界各国に製造拠点および「リマン(Remanufacturing)事業」を設けることで機械を低コストで長く使い続けられる仕組みを持っています。
購入後約10~15年使用された鉱山用機械は部品の修理や交換、オーバーホールが不可欠です。
リマン事業では新品と同等品質でありながら新品より安い価格でリマン製品を提供し、顧客へのコスト負担と環境負荷への低減を実現します。
DXの先駆者となるコマツ
コマツは経済産業省が経営者の意識改革と幅広いステークホルダーからの評価を促すことを目的として、優れたデジタル活用の実績が表れている企業「DX銘柄2023(DXプラチナ企業)」に選定されています。
出所:経済産業省コマツはドローンによる3D測量や施工プロセスをデジタル化するなどのスマートコントラクションに取り組んでいます。
以下の動画を見て頂くとスマートコントラクションへの理解が深まります。
小松製作所の株主還元
コマツは安定的な配当の継続のため、連結配当性向を40%以上とする方針です。
出所:コマツ昨日発表された2024年度 第2四半期(4-9月)決算では、為替(円安)と価格改定により売上高が上方修正され過去最高となりますが、一部地域での需要減退によりセグメント利益は前年度比-5.6%予想です。
次の3Q決算次第にはなりますが、今期の増配はもしかすると難しいかもしれません。
詳しくは直近の決算資料を確認してみて下さい。
小松製作所の事業リスク
世界経済が今後も発展を続けるならば建設や採掘需要がなくなることは考えにくく、その意味でコマツが参入する建設用および鉱山用機械の需要は安定しているというのが一般的な見方です。
ただし、昨今頻発化している戦争や自然災害、景気後退等の地政学的リスクにより建設需要が停滞する場合においては建設用機械の需要も短期的に変動することが考えられます。
加えてコマツは海外売上がほとんどを占めるため、為替によるリスクも少なくありません。
リーマンショックのように円高&世界的な景気後退のダブルパンチに襲われると株価は一気に下落する可能性も考えられます。
その様子は過去の株価(2008年と2018年)を見て頂けると理解が深まります。
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