野村不動産HD(3231)は2004年6月に設立されました。当然、野村グループから派生した総合不動産会社で筆頭株主は野村HD(2024年3月31日時点での出資比率:36.87%)となっています。

野村不動産HDの事業利益は2024年3月期で1,000億円を超えています。

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出所:野村不動産 統合レポート2024

事業は以下7つの事業に分かれますが、売上・事業利益ともに7割以上は住宅部門と都市開発部門です。

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住宅部門ではマンション開発や賃貸、都市快活部門ではオフィスビルや商業施設の開発を行なっています。

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今期(2025年3月期)予想では都市開発部門が「芝浦プロジェクト竣工に伴う、減価償却費の発生や経費の増加」により事業利益を前年比で23億円マイナスとなりますが、海外部門でそのマイナス分を綺麗に補って成長予定です。

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出所:野村不動産 2025年3月期 第2四半期決算説明資料

野村不動産の強み

野村不動産の強みは野村證券を始めとしたグループの連携・総合力にあります。巨大資産と機関投資家および富裕層投資家のネットワーク、そして7,000人を超える従業員を抱える野村は「ヒト・モノ・カネ」すべての経営資源を兼ね備えており、強大な資本の力でマーケットを先導する力があります。

野村不動産
出所:野村不動産

さらに野村不動産には「賃貸バリューチェーン」という仕組みが存在します。

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賃貸バリューチェーンとは、野村不動産が開発した不動産をREITやファンドを通して投資家へ売却することでまずは売却益を得ることができます。その後、売却された不動産を投資家の代わりに運用することで投資家が保有する期間も賃料や手数料収入で稼ぐことで2つ目の収益が発生します。さらに不動産を投資家から仕入れることで新しい不動産開発に着手するという循環システムにより、安定的かつ長期的に収益を上げ続けるというのが野村不動産の強みです。


野村不動産の事業リスク

不動産ビジネスでは金利が上がれば借入コストが上昇し、住宅ローン等が上がれば不動産価格は下がりやすく、不動産を手放したいと思う投資家も一定数は出てくるはずです。

ただし、これまでの日本は万年低金利のため事業環境に恵まれています。

国土交通省
出所:国土交通省

日本政府が今後金利を引き上げることがあれば、事業環境は変わる可能性がありますが、そもそも日本がまず現状の不況から脱出できるのかなど課題も多いはず。


空室リスク

賃貸物件を扱う都市開発部門では空室リスクも考えられますが、直近での空室率は7%を下回る水準です。

野村不動産
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コロナ前から見れば空室率は高い水準ですが、去年以降から急激に空室率が減って、賃料も徐々に上昇しやすい環境へ変化しています。

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不動産ビジネスはコロナのようなパンデミックに加えて、能登半島地震や全国で起きる豪雨・台風被害など自然災害リスクの影響を受ける場合もあります。


野村不動産の株主還元

野村不動産は23/3期~25/3期までの総還元性向を40%〜50%、26/3期以降は40%を目指す方針に加えて、今期(25/3期)以降DOE4%を下限とする方針を追加しています。

結果として、25年3月期は13期連続増配に挑戦中です。

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加えて50億円を上限とした自己株式の取得を決定し、年間の配当性向は40.7%、総還元性向は47.8%を見込んでいます。

さらに来年4月1日には5対1の株式分割を実施する予定です。

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