昨日、ヘムさん・かんちさんが投稿されていた「エア・ウォーター(4088)」を自分の投資知識に加えるため、調べて観た結果をまとめていこうと思います。



エア・ウォーター(4088)とは

エア・ウォーターは1929年9月に酸素の製造・販売を目的として創設された北海酸素株式会社が前身となり、2000年4月に共同酸素株式会社と合併後、商号変更にて「エア・ウォーター」が誕生しました。

同社は以下5つの事業から構成されます。

エア・ウォーター
出所:エア・ウォーター 2025年3月期 第1四半期決算資料

それぞれの事業内容は以下の通りです。

  • デジタル&インダストリー :半導体製造等の産業ガスの製造・販売、電子材料等の製造・販売
  • エネルギーソリューション:LPガス・灯油の販売、LNG関連機器の製造・販売
  • ヘルス&セーフティー:医療用ガス、病院設備や医療機器の製造・販売、医療関連サービスの提供
  • アグリ&フーズ:ハムやソーセージ、冷凍食品や飲料等の食品販売
  • その他:物流事業、産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業、木質バイオマスによる電力事業等

売上ペースで見ると、エネルギーソリューション以外が拮抗してますが、営業利益ベースでは半導体製造にかかわるガスの製造・販売を扱うデジタル&インダストリーが4割超を占めており、一番の稼ぎ頭となっています。

エア・ウォーター


事業内容は多岐に渡りますが、エア・ウォーターはこれまで幾度のM&Aを繰り返すことで事業を拡大してきた経緯があります。

エア・ウォーター
出所:エア・ウォーター 統合報告書2023

事業ポートフォリオが分散することで安定成長を目指せる一方で、海外事業での言語・法制・経済安全保障等のリスクマネジメントの難易度が高くなっていることも挙げられます。


エア・ウォーター将来性

2010年以降、業績は増収傾向と安定し、今期(2025年3月期)に関しても過去最高益となる見通しです。

エア・ウォーター
エア・ウォーター


配当に関しても配当性向30%を基準として安定的な配当を目指すと公表しています。

エア・ウォーター


エア・ウォーターの強みとしては繰り返しになりますが、100を超える事業領域(ビジネスモデル)と安定市場による高シェアの総合力です。中でも主産業となる産業ガス事業においては2019年にインド東部・南部の鉄鋼オンサイト拠点の大型M&Aを起点に同国3位のシェアを有します。

エア・ウォーター


インド事業は2022年実績176億円に対して、2030年までには売上目標1,000億円を目指すと公表しています。


さらに北米事業においても2030年までに売上目標1,000億円(2022年実績:190億円)を目指しています。

エア・ウォーター


北米事業では、2023年8月に米国ニューヨーク州において大口需要家へのオンサイトガス供給案件を獲得することで製造から販売まで一貫したガス供給事業を開始。2023年4月には、ハイテク産業が立地するアリゾナ州を地盤とするディストリビューターを買収することで事業エリアの拡大を進めています。さらに、2023年9月には北米全域を事業エリアとするヘリウム販売会社を買収。半導体をはじめとする成長産業の需要を取り込む計画となっています。


事業等のリスク

エア・ウォーターの主なリスクは「円安」「原油高」です。

酸素・窒素・アルゴン等の産業用ガス製造に大量の電力を使用するため、原油高や円安はコスト上昇につながります。

またヘリウムガスや半導体向け特殊ガスは海外から調達するため、円安がコスト増に直結します。コスト増となっても価格転嫁が出来れば利益は確保できますが、取引先との交渉の結果として価格改定が難しい場合は利益が減ります。

2024年度1Q決算では産業ガスの価格改定に成功し、営業利益は前年同期比+14%を達成しています。

エア・ウォーター


稼ぎ頭である産業用ガスは、半導体など供給先の市況が低迷すれば需給に合わせて停滞するリスクがあります。

株主優待の内容

エア・ウォーターの株主優待は毎年3月の権利確定日に100株以上1,000株未満保有することで1,500円相当のグループ商品(フルーツバーセット)を受け取ることができます。

エア・ウォーター
出所:エア・ウォーター 株主優待制度

1,000株以上保有するとカタログギフトから上記好きな商品を1つ選択可能となり、保有数に応じて金額も変わる仕組みです。

2024年10月21日時点での終値を参考にすると、優待利回りは100株保有で0.76%ですが配当利回りが3.28%と高いため魅力的とも考えられます。

現時点では円高メリット企業ではあるものの急激な円安相場にて高成長を見せる同社は株主優待も含めて魅力的ではないでしょうか(投資判断は自己責任でお願いします)。


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