1980年以降の日経平均株価と為替変動率を比較すると、ドル円レートが円高へと傾くと日経平均株価は下落もしくは停滞する時期があります。

為替と株価


主な理由としては以下の通りです。


1. 輸出企業の利益圧迫

日本は輸出主導型の経済構造を持っています。円高になると、日本企業の製品が海外市場で相対的に高くなり、競争力が低下します。特に自動車、電子機器などの輸出依存度が高い企業にとって、ドル建て収益が減少するため、企業の利益に悪影響を与えます。これが株価の下落要因となります。


2. 海外投資家の売り圧力

円高時には、海外投資家が為替差損を避けるために日本株を売却する傾向があります。ドルが弱くなると、外貨ベースで見た日本の株式の価値が下がるため、利益確定のために売りが発生し、株価の下落を招くことがあります。


3. デフレ圧力と国内経済の停滞

円高は輸入品の価格を下げるため、インフレ圧力が低下し、デフレを引き起こす可能性があります。特に1990年代の「失われた10年」では、円高が経済の停滞とデフレに拍車をかけ、株式市場にも影響を与えました。


4. 金融政策と金利差

円高が進む局面では、日銀の金融政策や金利が影響を与えます。円高が進むと、日本の金利が低水準であることが多く、相対的に日本の資産が魅力を失い、資本が海外に流出しやすくなります。これも株式市場にとってマイナス要因となります。


5. 世界経済の動向

円高になる局面は、世界的にリスク回避の動きが強まることが多く、日本円は「安全通貨」として需要が高まります。これは、世界経済が不安定な時期に起こることが多く、世界的な景気減速や金融市場の不安定が、日経平均株価にも影響を与えることがあります。


6. 心理的要因

為替が円高に進むと、投資家心理にも悪影響を与えます。輸出産業への悪影響や企業収益の悪化が懸念され、株式市場全体に慎重な姿勢が広がりやすくなります。


要注意!円高も株価が上がる場合も

もう一度グラフを見直して頂きたいのですが、1980年代や2000年、2004年など円高へと傾いても株価が上昇する局面もあったことも事実です。

為替と株価


これらのデータは未来の株価を保証するものではありません

日経平均を構成する企業の輸出割合や産業構造などを十分に把握する必要がありますが、今後の投資判断に役立てて頂ければ幸いです。


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