以下はバークシャーハサウェイの年次レポート(2023)を参考にS&P500との年間パフォーマンス差を計算したグラフです。
1970年代をピークにしてS&P500をアウトパフォームする幅がどんどん小さくなっていることがわかるはず。
天才投資家ウォーレンバフェットによる投資手法の優位性がだんだんと弱くなっている傾向には、いくつかの理由があると思われます。
テクノロジー株へ投資をしない
バークシャーのポートフォリを分解すると、大部分は以下3つのセクターにわけられます。
- 金融:バンク・オブ・アメリカ、アメリカン・エキスプレス、ムーディーズ
- 生活必需品:コカ・コーラ、クラフト・ハインツ、クローガー)
- 情報技術:アップル
2024年にアップルは半分以上売却したため金融と生活必需品の割合が増加していますが、基本的にバフェットの投資先はオールドエコノミーと言われる昔からのビジネスが多く、Appleのような情報技術やAI関連銘柄はほとんどありません。
2000年以降の株式市場を見ると、GAFAMやTesla、NVIDIAなどのテクノロジー銘柄が米国および世界全体の株式市場を牽引している状況は明らかであり、ビックテックにほとんど投資をしないバークシャーのパフォーマンスがS&P500に負けてしまうのは自然の摂理のようです。
誰でも効率よく儲けられる
グレアムを師匠とするバフェットの投資スタイルは割安株を入念に分析する方法であり、インターネットも普及していなかった時代では企業の財務諸表を取り寄せるにも手間も時間もかかるため、大勢の投資家を出し抜く方法としての優位性が高く、財務を分析することで高いパフォーマンスを得られる時代でした。
しかし、最近ではネットやSNSの普及だけでなく、様々な分析ツールやサイトが発達したことで企業決算や経済指標が発表されたと同時に一流投資家と同レベルで分析できる個人投資家が増えたため、財務を分析して利益を得る投資手法の優位性がどんどんと下がってきたとも考えられます。
市場が効率的に動くので一握りの投資家が莫大な利益を得ることが難しくなった反面、多くの投資家が少しの利益を得やすくなっている状況です。
分散投資によるパフォーマンスの低下
バフェットの資産の95%は65歳以降に作られたものと言いますが、年齢を重ねるごとに資産規模が爆増してきました。
出典:@QCompounding資産が増えるほど投資先を見つけるのが困難です。
良い銘柄に投資しようとしても資産が大きすぎると高値でつかんでしまう可能性も増えますし、現金比率を高めすぎると株式の成長を活かせません。
資産規模もパフォーマンスを出す上では重要な要素の1つです。
インデックス投資は天才ウォーレン・バフェットに勝てる?
ここまでの事実を踏まえるとS&P500のパフォーマンスはバフェットにも負けにくくなっていることがわかりますが、今後どうなるかは分かりません。
ただNVIDIAを筆頭のしたAIブームなどは今後も続くんだろうなと思ったりしますし、S&P500のパフォーマンスは長期で右肩上がりになるだろうなと予想します(投資は自己責任でお願いします)。
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