昨日発表された日本製鉄の決算では、今期2025年度見通し(最終利益)が前年度比45.4%減となる3,000億円とのこと。

日本製鉄
出所:日本製鉄

率直に言えば、世界の景気が悪いという印象が伝わります。

鉄は半導体に次いで「産業のコメ」と言われるほど経済指標として有用です。

鉄が使われる製品としては自動車や建築資材など大きな市場に必要な素材となっているだけでなく、鉄鉱石から鉄に生成される際には石炭(エネルギー資源)が使われますし、国際間取引では為替レートも影響を与えるため、鉄は経済との密接な関わりがある素材といわれています。

経済に敏感に反応する鉄のビジネスですから、日本製鉄の決算資料にも世界の経済見通しが追記されており、2025年度の見通しは世界で±0、中国においては不動産市場の低迷が長期化する(建設分野を中心に需要回復の兆しが見られない)ことで-0.5%と悪い状況を示しています。

日本製鉄
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原材料となる鉄鉱石価格、足元では下落傾向。

日本製鉄


長期的には右肩上がりに見れますが、インフレの長期化や経済低迷が続けば、需要とともに価格が落ちる場合も想定されます。

原料炭価格においては、豪州の雨季明けに向けた供給の回復や鋼材価格の下落に伴 うインド需要家のスポット調達抑制によって足元の市況は240$程度まで下落している状況です。

日本製鉄


ここまでの日本製鉄の資料からも分かる通り、今後の経済見通しはそれほど良くはありません。

だからこそ、どの業種においても業績を過信してしまうと、思わぬ決算発表で足元をすくわれてしまう可能性も出てきますから、投資判断はほんの少しだけ慎重に進めていきましょう。


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