来年以降から新しいNISA制度を使って、積立投資を開始する投資家の方々にとって、ぜひ知ってほしい出口戦略があります。

出口戦略とは、成長させた資産を出来るだけ長持ちさせつつ、多くの資産を売却していくための戦略となります。

出口戦略次第では最終的に現金として消費できる金額も大きくなりますし、過去に積み立てた資産を長持ちさせながら引き出していくことが出来ます。

同じ資産額だとしても戦略次第で得をしたり、損をするのであれば、知識としては知っておいて損はないはずです。


一括で引き出すのはNG

まず大前提として、NISAで長年積み立てた資産を一度に全て現金化することは、お勧めしません。

現金化する際は必要な金額だけを少しずつ引き出すの方が資産は長持ちします。


たとえば、資産2,000万円を一度で引き出すと手元に残るお金は2,000万円となり、何年かかけてその2,000万円を使い切ることとなります。

ですが、資産2,000万円を毎年200万円ずつ引き出していくと、株価が全く変動しなかった場合は10年で使い切りますが、株価が過去と同じように年間数%ずつ成長していれば、毎年200万円ずつ資産を引き出しても10年後資産はゼロにはなりません。

仮に年間の株価成長率が4%だった場合、毎年200万円ずつ資産を引き出すと、資産がゼロになるのは12年後です。

出口戦略


一括で引き出すよりも277万円も多く現金として消費できる計算となります。


定額引き出しのデメリット

定額で資産を取り崩す方法は、定率で資産を取り崩す方法に比べると、資産が長持ちしないというデメリットを持っています。

定率引き出し(資産を定率で取り崩す方法)とは、毎年資産全体の数%ずつ取り崩す方法です。

先ほどと同じ資産額2,000万円を毎年10%ずつ(初年度は200万円)引き出す場合、定額引き出しと比べて、定率引き出しの方が遥かに長く資産が持ちます。

出口戦略


定額は12年で資産がゼロとなりますが、定率では12年後の資産は904万円も手元に残りますし、同期間での引き出し額は1,712万円なので残金と合わせると2,616万円となり、定額よりも339万円も多く現金化できる計算です。


出口戦略の最適解

定額より定率の方が累計で現金化できる資産は大きくなるものの、毎年引き出せる金額は徐々に減って生活費を補填できなくなる可能性があります。

それが定率引き出しのデメリットです。

ここからが本題ですが、NISAの出口戦略としては定額と定率引き出しを組み合わせて使うことが最も効率的と考えられます。

シミュレーションをすると、以下の通りです。

出口戦略


資産の残高が1,000万円となるまでは定率で引き出し、資産が1,000万円を切った後は毎年100万円ずつ定額で引き出すと、資産は22年目まで持つ計算です。

最終的に引き出せる資産額は2,702万円という計算となったので、最も大きな資産を引き出せてます。

実際は株価や為替などの変動によってシミュレーション通り行かないことがほとんどですが、定率 or 定額だけで資産を引き出すよりも効率的に資産を長持ちさせられるはずです。


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