以前、国内企業で最もネットキャッシュが多い企業として紹介した任天堂ですが、今週2023年度の本決算を発表しました。

半導体部品等の供給不足および年末商戦での販売数低下、さらにハードウェアが前期比22.1%減の1,797万台となったことでソフトウェアの販売も前期比9.0%減となる2億1,396万本で着地する結果となっています。
率直に言えば、任天堂は厳しい時期に入っています。
主戦場は米国
任天堂の売上総利益の構成比を見ると、8,854億円のうち45.6%がハードウェア、残りがソフトウェアやスマートフォンアプリからの課金収入などとなっています。

地域別で見ると主戦場は米大陸が43.8%を占めており、欧州が24.7%、国内は22.8%、その他の地域で8.7%となるため、現状は米国でのソフトおよびハードウェアの販売数をいかに上げるかという点に注力し、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などの映画コンテンツにも力を入れています。
映画『スーパーマリオ』日本でもNo.1特大ヒット。週末興行1位、 5月1日(月)までの興行収入は20億超え。
— ファミ通.com (@famitsu) May 2, 2023
全世界ではついに10億ドル突破。歴代アニメ作品興行成績のトップ10(第10位)入りを果たした。#映画スーパーマリオ
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2024年3月期の業績予想

今期も減収減益予想、かつ配当も10分割後で考えると実質的な減配となります。
過去の売上推移
任天堂の過去の売上推移を見ると、大きく売上を上げている時というのは、新しいハードウェアの登場によって達成してきた歴史があります。

1990年にはスーパーファミコンが誕生したことで売上が倍増、2006年にはWiiによって売上が大台となる1兆円を超えます。そして2017年にNintendo Switchに誕生したことにより、売上高1兆円を安定的に継続し続けています。
2021年での売上上昇はコロナによる巣篭もり需要に加えて「あつまれどうぶつの森」ブームが到来したことによるものです。
過去の歴史を考えると、新しいハードウェアが世界中の子供やゲーム好きの大人に行き渡ってしまうと、売上は天井を見せて下降しやすくなります。
さらに脱コロナでは旅行や観光などの外出需要が増しているため、巣篭もり需要で獲得してきたであろうNintendo Switchやゲーム需要は反動で下がる可能性も高く、さらには半導体不足およびインフレによる価格高騰などの問題もあり、逆風が強く吹いている状況と言えます。
別の方向性
決算短信では今後の見通しに以下のコメントが記載されています。
以下のような言い回しでは、かなり厳しい状況だと伺えます。
ハードウェアでは、Nintendo Switchの魅力をお伝えし続けることで、「一家に一台」から「一家に複数台」、さらには「一人に一台」の普及を目指します。
外出需要に併せて新しい映画コンテンツに注力するか、ウェアラブルなど外出需要に対応しやすい次世代ハードウェアの開発など方向性があると、今後の将来性は違って見えてくるのかもしれません。
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