今回は総合金融事業を展開するオリックスの本決算を解説していきます。

オリックス
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出典:オリックス

通期別で見ると前年度比12.4%減となる2,731億円で着地し、四半期別で見ると昨年4Qだけが異常に高すぎて、今年の4Qをかなり落としたという状況です。


セグメント別の業績

セグメント別で見ると、マイナスが大きいのは、ORIX USA、アジア・豪州、保険の3事業です。

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ORIX USA

ORIX USAに関しては、投資事業のキャピタルゲインおよび不動産ローン部門の収益が減少したことが主な要因です。

米国の不動産価格は2022年6月をピークにして下降傾向を辿っています。

FRED
出典:FRED

急激な金利引き上げ政策により住宅ローンが高騰しているため、住宅価格を下げなければ家は売れづらい状況が続いていると考えられます。

住宅ローンは米国のインフレ率と関係してくるため、業績を回復させるには景気後退後など長い視点が必要となりそうです。

USA事業は去年の実績が高くでており、四半期別で見ると回復基調かつ、21年3月期と比較すれば23年3月期はプラスとなるため、それほど悪い数字を出したわけでもありません。

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セグメント別の資産も順調に積み上げているため。それほど悲観する必要もなさそうです。


アジア・豪州

アジア・豪州の事業がマイナスとなった要因は、今期4Qで投資先の減損を計上したことによるものです。

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USA同様に22年3月期決算が思いのほか良すぎた傾向もあります。

アジア・豪州事業のセグメント資産のうち、投資は全体の16%です。

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事業の収益を見るとムラがあるように思えますが、ポートフォリオ自体は安定したリース、ローン収益が基盤となるため、想定外の結果を生みやすいものではありません。

来期もしっかりと利益を上げてくれると信じたいです。


保険

保険事業のマイナス要因はコロナ関連の給付金です。

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給付金は通期累計で320億円を支出していますが、コロナ感染者数および死者数は去年に比べて大きく減少しているため、今後継続的に発生するものではないと考えられます。

コロナ
出典:NHK

保険事業の契約件数も直近で堅調に推移していますし、10年前と比較すると約2.3倍にも大きくなっています。

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2024年業績予想

オリックスは2024年3月期、2025年3月期の2期連続の増益予想を公開しました。

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事業の成長に自信がある証拠とも言えますし、安定した収益基盤を持っているため、それほど心配する必要はないのかと思われます。


来期の増配を発表

今期の配当に関しては前期と変わらず85.6円となります。

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増配傾向であることには変わりませんし、来期となる2024年3月期に関しては年間配当予想94円を発表しています。

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2024年度の株主優待廃止後から配当方針を再検討するとも公表されており、おそらくは優待制度の支払いがなくなる分だけ配当金額もしくは自社株買いの比率を上げてくる可能性も示唆されます。


自社株買い

自社株買いに関しても上限500億円として発表しています。

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自社株買いについても2020年3月期より毎年500億円程度を実施しています。

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オリックスは社員向けインセンティブプランとして、譲渡制限付株式付与制度を導入することも発表しましたが、対象へ付与する株式数は最大10万株程度となる見込みです。

発行株式数は2.59兆株なので、全体の0.03%程度と規模はかなり小さく気にならない程度だと思われます。


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