昨日は丸紅の2022年度(2022年4月 - 2023年3月期)本決算が発表されました。
出典:丸紅年間の基礎営業CFは5,842億円と前年よりも136億円のプラスで着地しました。
セグメント別で見ると、金属事業は商品価格の上昇に伴う豪州原料炭事業の増益及び鉄鋼製品事業の増益により当期利益は前年度比87億円増益の1,994億円となっています。
電力事業は価格高騰と台湾の工事コストが減少したことにより前年度比680億円の改善となり、エネルギー事業は石油と天然ガスの価格高騰により前年度比5億円増益の383億円、食料第二はGavilon穀物事業の売却により前年度比305億円増益の769億円となっています。
2023年度の見通し
2023年度は他の商社同様に資源・エネルギー価格が下がるため減益の見通しとなります。
営業CFベースで前年度比マイナス12%です。
ロシアとウクライナの戦争や世界各国の高インフレ及び金融引き締め政策などの世界情勢に業績が左右される事が多く、目立った打ち手はありません。
配当は据え置き
配当金については2023年度の見通しスライドにもあった通り、前期同様78円と据え置き予定です。
基本方針としては、総還元性向30-35%を維持しつつ、累進配当を実施していく予定ですが、足元の状況が悪いため営業利益から増配分の利益を捻出することは短期的には難しいように思えます。
自社株買いを発表
丸紅は今回の本決算と一緒に300億円の自社株買いを発表しています。

この300億円は2022年度のフリーキャッシュ5,800億円のうちから捻出されます。
株価の見通し
直近1年間の商社株を見ると、最も株価を上げたのは丸紅でした。

期待値が大きい分だけ今後株価を下げる余地は大きいように思えます。
買い増しを考えている投資家はしばらく様子見期間が長くなりそうです。