物価が上がって実質賃金が減る中でも税金は上がり、年金は減るなど、日本では老後資産への不安が年々深刻化しています。そんな中では夫婦間でのお金の扱い方を真剣に考える必要性も増しています。
スパークス・アセット・マネジメント株式会社が公開するアンケート調査のデータによると、お金関連で配偶者に不満を持っている割合は半数以上もいます。

今回はこれらのデータを参考にして、夫婦間でやってしまうと喧嘩や不仲につながるNG行動・ルールを紹介していきます。
うちの家庭は関係ないと思っている人も要注意です。
該当する部分がありましたら、ぜひ参考にして頂けると幸いです。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール1: 節約に協力しない
まずは夫婦間でどのような不満を持っているかという質問では、回答率が3割を超える内容が4つもあります。
男女共に共通して不満につながりやすいのは「節約しない」「無駄遣いが多い」「無計画にお金を使う」です。その他の項目には「お小遣いが少ない」「収入で嘘をつく」などもありますが、夫婦の関心ごとはお金の使い方(支出部分)に集約されていることは一目瞭然です。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール2:無駄遣いが多い
全世代の男女ともにお金に関する取り組みの大半は支出削減・節約に集約されます。
注力している節約や支出管理で勝手な行動をとってしまうと、逆鱗に触れることとなり危険です。
相手の理解を得ない買い物をする場合は相手に理解してもらえるよう説明をするか、信頼を得るための何かを行う必要があります。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール3:無計画にお金を使う
相談なしで相手が知らないうちにものを買うなど、自殺行為に近いと思います。
人によっては相手との折り合いがつかない場合、隠れて買うなど相手を避けようとするかもしれませんが、見つかった時には信用を失うリスクは大きくなります。
ルール1〜3までは似たような項目ですが、最もタブーとされるNG行動のため、やってしまっている人は自己中心的な考えを捨てて「家族のために」「パートナーのために」という考え方に切り替える方が、後に困った時は協力が得られやすく、長期的に良好な関係を維持できるはずです。
決して自己都合だけを考えて短期的に楽な行動に逃げることは控えましょう。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール4:金融知識を蓄えない
意外かもしれませんが、お金が原因で夫婦喧嘩をした家庭の割合は3割を超えます。
加えて、円安や世界情勢によって生活不安が大きくなったと回答した家庭の割合は6割を超えています。
金融知識がある方であれば、円安はデメリットだけではないことをよく知っていると思いますし、現在世界的に情勢が不安定な理由は米国のインフレ率を抑えるためにFRBが急激な金利引き上げをおこなっているからであり、それが永遠と続くわけではないことも理解されているはずです。
知識がないほど不安になるリスクは高くなりますし、経済や金融知識がない人ほど投資や資産運用のチャンスを活かせず、不用意に相手や自分を責めてしまい、夫婦間の信頼関係を壊してしまいかねません。
知識があることはお金の不安を取り除くための方法にもなります。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール5:相手の成果を認めない
配偶者の娯楽費や交際費を把握しているかという質問では、男性の把握率はたったの25%に対して、女性は47%と女性の方が相手への関心が高いことがわかります。
相手の状況を考慮して行動ができない人はお金の問題だけに関わらず、信用リスクを下げる可能性が高くなります。
相手の努力や家計の節約術においては、正解不正解に関わらず、興味を持って把握し、お互いの行動を褒め合う必要があると思います。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール6:家事や家計管理を手伝わない
最近では値上げラッシュによって家計管理が難しくなり、その影響で夫婦仲が悪くなったと答える人の割合は数%ですが存在します。
値上げが深刻になるほど節約の難易度は上がり、相手に対して厳しいことを言ってしまうかもしれません。
同アンケート調査によれば、値上げラッシュによって夫婦仲が悪くなった人(159 名)に、値上げラッシュによって夫婦仲が悪くなったと感じたエピソードを聞いたところ以下のような回答があったそうです。
- 『給料が安いから大変』と言い合いになった(30 代男性)
- おこづかいを上げる・上げないでもめた(50 代女性)
- 夫が無駄遣いをやめない(40 代女性)
- 食料品が高くなったのに、節約に協力してくれない(50 代女性)
- 教育費に不満ばかり言うようになった(40 代女性)
- 節約しているのに『節約しろ』と言われた(40 代女性)
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール7:感謝の気持ちを伝えない
夫婦円満でいるために行なっていることの上位には「多少のことは我慢する」「話を聞く」が挙がります。
我慢をし続けるにも限界がありますから、1番は相手の話を聞いて理解し合うこと。また自分が相手に対して我慢をさせている状況を把握することも2人で話し合って理解する必要があります。
最終的には感謝の気持ちを絶えず言い合える仲になれば、自然と他の問題も解決していくはずです。
相手を減点方式で判断するのではなく、良い部分を褒め合って信頼関係を構築することが何より大切です。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール8:互いの価値観を尊重しない
お金の価値観は人によって違うため、相手の趣味や価値観を理解することは難しい場合があります。
ですが先ほど紹介したアンケート調査にもある通り、互いの価値観を尊重することはとても大切ですし、相手に我慢をさせてしまえば、最終的にはその矛先が自分にも向けられる可能性もあります。
相手の出費、とくに大きな出費ほど無駄遣いに思えますし、ガラクタのようにも感じるかもしれませんが、その人にとってみれば大切な宝の1つとなることもあるため、自分の趣味や価値観を理解してもらうためにも相手の価値観も尊重し合うべきです。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール9:健康に気を遣わない
多くの人が食料品で節約を図ろうと考えがちですが、ストイック過ぎると栄養不足やストレス発散ができず、今度は医療費がかかり過ぎてしまう場合もあります。
定期的な歯科健診や栄養のある食事にはお金を惜しまず、将来の健康のために投資と思って、支出削減は行わない方が賢明だと思われます。
そこを無理に節約するよう行動したり、相手にもそのように求めてしまわないよう要注意です。
夫婦間のお金に関するNG行動・ルール番外編:男性の収入が少ないと危険
配偶者に関するお金関連の不満の中には「収入が少ない」という項目が挙げられます。
男女差が顕著ですが、女性は男性に対して収入が少ないことを不満に思う割合が32%となっており割と高めです。
対して男性は女性に対して高い給与水準を求めてはいませんので、ここに関しては意識や価値観のズレが起こりやすくもあります。
男性の収入が低い場合は、女性は男性が思うよりも収入の低さを気にしている可能性があることを意識しておいて損はないはずです。