3億円の確定申告漏れ発生
先日、SNS上で商品を紹介し報酬を得た女性インフルエンサー9名について、約3億円の申告漏れを国税局から指摘されたという報道が流れました。
報道内容によると、2015年から2021年までの6年間で約3億円分の申告をしておらず、追徴税額(納めるべき税金の他に追加で納める税金額)は約8,500万円となるそうです。
このような悲惨な事態に陥ってしまうのは、いくつかの理由があるように考えられます。
日本人は税金知識と無縁
以前、チュートリアル徳井さんの時も話題となりましたが、納税の無申告は日本では珍しくありません。
その他にも有名芸能人などが脱税容疑で監査が入るなどの事件は起きています。
なぜそのようなことが起きるのか、どうして高収入である人が確定申告を軽視してしまうのか。
その答えは日本の教育機会に原因があるようにも思えます。
そもそも一般的な社会人は会社から給料をもらう場合、税金の知識は一切必要ありません。
年末調整で控除対象となる資料をいくつか提出する必要はありますが、それ以外の税務処理は全て会社側が実施する法律となっています。
つまり、正社員で働いているうちは従業員が社会保険料や所得税の税率で頭を悩ませることはありません。
日本の税金ルール
一生労働者のままなら税金と無縁でも生きていけましたが、最近はYouTubeやTikTokなどで副業を行う人が多く、確定申告を行わなければいけないことが増えています。
日本の法律では以下いずれか条件に該当すると、確定申告をして納税する義務が発生します。
- フリーランスで働いている
- 年間20万円以上の副収入がある
- 年収2,000万円以上ある
- 年金等を年間400万円以上受け取っている
- 年間110万円以上の贈与を受けた
他にも退職所得等、細かい例を挙げれば他にもありますが、上記のような条件に該当する場合には例外なく誰でも確定申告をして税金を納めなければいけません。
申告漏れが起きる原因
繰り返しになりますが、日本で確定申告をせずに追徴課税を受けてしまう人がいるのは、そもそも税金ルールを知らない人が多いと思われます。
申告漏れで報道される人のほとんどは故意に脱税をしているのでなく、知らないうちに脱税をしていたという事態と想像できるからです。
その状況を作り出している原因の1つとして、税務署や役所から税金を納めるなどの催促がされない仕組みになっています。
催促するにしても書簡を送ったり、データを調べたりするにも国や自治体でコストがかかってしまいますし、国が指摘するにしても確定申告の期限前に指摘するより申請期限後に指摘する方が追徴課税や加算税が取れるため、国の調査は追徴課税が高額な案件に集中しやすくなり、小さい案件についてはコストが見合わないため、調査はされにくいように思われます。
最近では2017年以降の暗号資産で儲けた投資家の申告漏れが発覚するニュースが相次ぎましたが、これは国税庁が取引所の協力を得て、捜査を強めたためと考えられます。金額が大きくなるほど「知らなかった」では済まされない事態となります。
申告漏れは今後も増える
国税庁は令和3年度の所得税調査だけで実地調査が3.1万件、簡易的な接触が56万件の調査を行なっています。
時には金融機関と協力をしたり、海外の税務局と交渉するなどして脱税の疑いがある人を見つけ出す捜査をしています。
暗号資産(仮想通貨)だけの調査を見ると、令和3年度では一件あたりの申告漏れ所得金額は3,659万円、追徴課税が1,194万円となっており、上記のフリーランスや副業と比べても圧倒的に脱税額が大きくなっています。詳しくは以下国税庁のHPをご覧ください。
最近ではNFTやWeb3.0で稼ぐ人も増えており、税金ルールが曖昧な状態で利益を上げてしまうと、いざ確定申告の時に正しい申請をできないでしまう人は今後も増えそうな気がします。
国税庁がNFTに関する税務上の取扱いを発表したので簡単にまとめました。 pic.twitter.com/eHMUwcSLWk
— Gaz(ガズ)@週末はブログを読もう (@gazooblog) January 17, 2023
まとめ
脱税や申告漏れが起きてしまうのは、日本人のマネーリテラシーの問題が最も大きいように思えます。
まずは税金知識を知ることから始まります。
当ブログやTwitterでは税金に関する知識も更新していますので、今後ともよろしくお願いいたします。