3月FOMCは0.5%利上げ予想

FRBのパウエル議長が金利引き上げペースを強めると主張した本日、株価指数は下落しました。

世界の株価
出典:世界の株価

そんな中、時間外で株価を大きく上昇させたのが、米国グロース銘柄のクラウドストライクです。

クラウドストライク
出典:Google Finance

クラウドストライク2023年4Q決算

クラウドストライク(CrowdStrike Holdings, Inc)とは、テキサス州オースティンに本拠を置くサイバーセキュリティ企業です。

PC端末、サーバ、モバイル等、さまざまな環境に応じたセキュリティサービスがクラウドで提供されるため、自社構築不要・再起動不要(自動アップデート)です。加えて、全世界の端末ログを一元管理しており、1日に1兆件以上のイベントを学習することで既知および未知のマルウェアの自動検知に優れており、専門家による24時間365日の監視体制で高度なサイバー攻撃にも対抗しています。

そんなクラウドストライクが発表した決算は全て予想を超え、高決算となりました。

決算予想と結果の判定
項目 売上 EPS
4Q予想$624.92M0.43
4Q実績$637.37M0.47
4Q判定
1Q予想$664.69M0.43
1Q想定$674.9M - 678.2M0.50 - 0.51
1Q判定
FY24予想$2.96B2.00
FY24想定$2.955B - 3.015B2.21 - 2.39
FY24判定



決算のハイライト

第4四半期の決算ハイライトは以下の通りです。

  • ARR(年間経常収益)が前年比+48%
  • サブスク粗利率77%(前年比から2pt減)
  • 4Qでサブスク新規顧客+1,873となり、合計23,019

ARRが前年比+48%と驚異的な成長を遂げるクラウドストライクですが、去年は+65%でその前の年は+75%で成長しており、その成長余地は年々小さくなっています。ただしサブスク顧客やARRなどブレにくい売上が伸びてくると収益は安定しやすいため、長期的な将来には営業利益率の改善が見込めます。

SaaS系の銘柄分析では、毎月固定で売上を落としてくれる顧客を獲得するために広告費を大きくかけることがあるため、営業赤字になりやすい傾向がああります。ただし、広告費を削減すれば黒字化が見えやすく「40%ルール」という分析方法が採用されます。

40%ルールとは、売上成長率と営業利益率を足して40%超えていれば、事業は健全であると判断する指標です。

クラウドストライクの売上成長率を見ると、売上成長率は四半期で47.9%、年間で54.4%となっています。

クラウドストライク
出典:クラウドストライクの2023年度4Q決算資料より筆者が加工

対して、営業利益率も四半期と年間ともに40%を超えているため、40%ルールで見れば、十分な優良企業と言えます。

ただし、純利益で見ると、四半期で+17.2%、年間では-21.6%となっていますので少し課題があるようです。