低PBRが話題

PBR(株価純資産倍率)はPERとROEの掛け算で算出できる数値。PBRが低い銘柄は純資産がそこそこあるにも関わらず株としての人気は低く、大きな純資産を業績に活かせてないことから「万年割安株」と言われる傾向があります。

そんな低PBR銘柄が話題となったのは、2023年1月に東京証券取引所がPBRが継続的に1倍を割れている企業に対して改善計画をまとめるよう方針を示したからです。

JPX
出典:株式会社東京証券取引所

その後、自社株買いや配当などへの対応に積極性が見られる銘柄に対して、海外の機関投資家や配当狙いの個人投資家が注目している現状があります。


人気割安株が多い業界

2023年3月3日の終値時点で人気割安株に該当する銘柄を以下の条件でピックアップしたところ126件の銘柄がヒットしました。

【銘柄のスクリーニング条件】
    時価総額:1,000億円以上
    PBR:1倍以下
    配当利回り:3%以上
    トレンド:上昇(100日)

直近3ヶ月で注目されてる割安株が多い業界はダントツで「銀行業」ということがわかります。

割安株の多い業種


2番目に多い業界が「化学」であり、3番目は建設業という結果になりました。

割安な銀行株

銀行業で該当する20社を見ると、平均PERは11.68倍

銀行業


最も時価総額が高いのは、高配当株で有名な三菱UFJフィナンシャル・グループです。先月発表したの業務純益は13,815億円(前同比+4,484億円増益)となり、通期目標15,000億円に対する進捗率は92%と好調な企業です。

三菱UFJ
出典:三菱UFJ 2022年度第3四半期 決算資料

配当に関しても2期連続増配予想です。

三菱UFJ
出典:Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc.

1月末に決算を発表した三井住友トラストHDも売上は減少するものの通期で見れば、最終益は前年比+12.4%予想となり、安定した金利収入(特に海外)が期待できます。

三井住友トラストHD
出典:三井住友トラスト・ホールディングス 2022年度第3四半期決算資料

金利上昇が続く2023年において、割安に放置されていた日本の銀行株には資金が流入しそうな状況です。


他の業種

その他の割安株として、化学業界の銘柄は以下の通りです。

化学


建設業は以下の通りです。

建設業


他の業種のレビューなどは時間がある時に記事にしたいと思います。