なぜバフェットは儲けられた?

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの年間運用リターンはS&P500のパフォーマンスを大きく上回ってきました。

BerkshireとS&P500


ただし、そのパフォーマンス差は年々小さくなる傾向があります。

最も大きくアウトパフォームしたのは、1976年です。

バークシャーの年間パフォーマンスが+129.3%だったのに対して、S&P500の年間リターンは+23.6%でしたので、その差105.7Point差がついています。

1976年以降、その以上のパフォーマンスを出したことはなく、その差は小さくなるばかりです。


インデックス投資の名著である「ウォール街のランダムウォーカー」「敗者のゲーム」を読んだことがある人ならわかるはずですが、S&P500を上回る成績を出し続ける投資家というのは、稀な存在です。

なぜバークシャーがS&P500を上回るパフォーマンスを上げ続けられたのか、その答えを特定することはできませんが、その要因として考えられることはいくつかあります。


分析ツールの進化

過去のバークシャーが圧倒的パフォーマンスを出せた理由とその差分が小さくなる理由の1つが「分析ツールの進化」にあると思われます。

バフェットの投資スタイルは「バリュー株投資の父」と言われるベンジャミン・グレアムに強く影響を受けており、その投資スタイルは企業の財務分析を徹底することに他なりません。

インターネットがない時代において、一般の投資家が企業の財務情報を正確かつ迅速に手に入れるのは簡単ではないわけです。

バフェットは新聞や雑誌、企業への問い合わせなど当時の情報収集方法を駆使しながら、一般大衆よりも正確かつ鮮度の高い情報を手に入れるための努力を惜しまなかった考えられます。

そして、インターネットの普及とともに多くの投資家が銘柄の細かい情報をそれほど苦労することなく、簡単に手に入れることができるようになると、取り扱える情報に差がなくなっていったため、S&P500などの指数と比べてパフォーマンスの差が小さくなったと推測できます。


調べない = リスクの拡大

もし先ほど述べた要因が正しいならば、銘柄情報を簡単に調べられる時代において、それらを調べずに投資を始めることは、投資リスクを拡大させることに他なりません。

TDnetを見れば、増配や自社株買いなどのプレスリリースはすぐに確認することができますし、株価暴落時や不景気時の株価、直近10年の売上やCF、自己資本比率などもいくつかのツールを組み合わせれば、簡単に企業が持つリスク調べることができますし、それを知った上で投資をすることで大きな失敗を避けることも可能です。

それを知らず(もしくは調べず)に投資をすることは、目隠しをして綱渡りをすることと一緒。自分で自分の首を絞める行為となります。