バークシャー・ハサウェイ2022年4Qポートフォリオ

2022年12月末時点でのバークシャー・ハサウェイのポートフォリオが公開されましたので、まずは上位銘柄10社の構成比から見ていきましょう。

バークシャー2022年4Q


相変わらず、 Appleへの集中投資は変わりません。

バークシャーのポートフォリオはアップルとバンク・オブ・アメリカの2社で全体の半分以上を占めていますし、上位10社の構成比率を合算すると88.98%となります。

バークシャーの資産運用部分はこの10社で成り立っていると言っても過言ではありません。


買い増し銘柄

2022年10月 - 12月期で買い増しを行なった銘柄は以下3社です。

バークシャー2022年4Q


LPX(ルイジアナ・パシフィック)は、木材製品を中心とした建材メーカーです。ポートフォリオ全体から見れば1%も保有していない銘柄ですが、元々の保有量から21%も大きく保有量を増やしています。

PARA(バラマウント・グローバル)は、映画やテレビスタジオ、ケーブルテレビなどを運営するメディアとエンターテイメントのコングロマリット企業です。買付額はPARAもAAPLもポートフォリオ全体から見ると0.01%程度ですが、元々の保有量が少ないPARA(18番目の組入比率)は保有量+2.65%伸ばす結果となりました。


バークシャーとApple

バークシャーが初めてApple株を購入したのは2016年1Qでした。

バークシャー2022年4Q


そこから約3年間、2016年2Qを除いて毎期Apple社の株を買い続け、ポートフォリオの25%を占めるところで買い付けをピタリと止めます。

買い付けをやめてから株価上昇によりApple社の保有割合は25%→47%まで上昇。

2022年1Qまでの約3年間で4度Apple株の売却を1%から6%ずつ行なっていますが、それでもここまで大きく利益を上げ続けられるバークシャーは売買のタイミングが的確としか言いようがありません。


売却銘柄

2022年10月 - 12月期で売却を行なった銘柄は8銘柄もあります。

バークシャー2022年4Q


中でも衝撃的なのは、前期までポートフォリオの10番目に位置していたTSMを86%も手放したことです。

今月発表されたTSMの決算では、純利益が四半期ベースで過去最高を記録するなど、業界全体が低迷する中でも比較的有利に戦えている銘柄の1つではあるので、バフェットが手放したとなると、それをフォローする形で他の投資家が売却する可能性もあるかもしれません。

またCVXを売ったことと、前期まで強気で買い増し続けていたOXYが今期買われていないところを見ると、エネルギー銘柄への投資は以前よりも消極的になっていると判断できそうです。