2022年楽天決算を振り返る
昨日発表された楽天の決算を見ると、2022年の年間売上高は前年同期比+14.6%となる1.9兆円で着地しました。

事業別で見ると、楽天市場や楽天トラベルなどが率いるインターネットサービスが稼ぎ頭となり、次いで楽天カード率いるフィンテック事業が売上を牽引しています。
楽天カード事業も堅調
フィンテック事業の売上半分以上を占める楽天カードですが、指標となるカード発行部数は前年同期比+11.9%

ショッピング取扱高も前年同期比+21.7%と堅調に推移しています。

また悲しい話ですが、リボ払いの残高も前年比+1.2%成長しています。
約6,202億円の利用者から年率15%程度の利子が発生するわけですから、知識ある人なら恐ろしくて使えませんが、無知な利用者から強力なキャッシュフローとして企業利益に組み込まれます。
営業利益が過去最悪
売上高は堅調に推移するものの営業利益はモバイル事業により3,256億円の赤字となります。

モバイル事業の売上は前年同月比+62%と大きく伸長しましたが、利益額で見ると毎期1,100億円近い赤字を出し続けています。
モバイル事業の諸問題
モバイル事業が赤字続きになる原因はアンテナや基地局、通信システムなどへの先行投資です。

従来の方法よりコストは大きく削減されていると主張しますが、投資額は今年も3,000億円を超える見通しです。
来年以降はその半分となる予定ですが、これもあくまで予定のため、どの程度の赤字が続くかはまだわかりません。
モバイル事業の見通し
今後、楽天はプラチナバンドの獲得で良質な通信サービスを目指す予定です。

加えて、2,980円のデータ無制限プランや先月ローンチされた法人プランをキッカケにして回線契約数を増やしていくとのこと。

課題としては、プラチナバンドを持っていない状態でどこまで契約数を伸ばせるかどうかです。
今日の株価は前向きに判断されていますが、楽天モバイルの赤字事業が他の事業の利益分を大きく上回るため、この状態が長引いてしまうと他のサービスにも影響が出てくるような気がします。
