投資バイアスを学ぶ
株式投資を続ける上ではメンタルコントロールがとても重要です。
投資家のメンタルを崩してしまう存在として「バイアス」がありますが、その件では介護士マンさんの記事がとても参考になったので紹介します。
投資のバイアスとは、「先入観」「思考の偏り」という意味で使われます。
人はどうしても自分の都合の良いように物事を考えてしまう生き物ですし、バイアスがない状態には中々できません。
今回は上記の中でも説明されている「保有効果」について詳しく解説していこうと思います。
バイアスとの付き合い方を少しでも参考にして頂けると、幸いです。
保有効果とは
保有効果とは、自分が保有している銘柄について以下のような効果が発揮されることを意味します。
- 愛着(本来の価値より高い評価)が生まれる
- 説明すれば価値を理解されると思い込む
- 失うことの恐怖が大きくなる
株式を保有する前は不安が大きかったのに、保有し続けることで銘柄を買ったことを正当化する情報や知識が増えていく傾向があります。
介護士マンさんの以下の説明はとてもわかりやすかったです。
全く興味の無かったブランド物を手に入れると、急に愛着が湧いてプラスの評価をするようになります。するとそのブランド物を補完する情報を収集してしまうのです。
保有している物について(特に良い情報)詳しくなることは悪いことではありますが、株式の場合は最後の出口戦略として「他人へ売却する」ということが避けられません。その際に自分が保有する銘柄を過大評価し過ぎてしまうと、正確な売値を把握できずベストな売却タイミングを逃してしまう可能性が高くなります。
保有効果を意識する
保有効果がどの程度影響しているのかを確認するには、保有してない人、もしくは自分が物を手に入れる前の心理を考えることをおすすめします。
自分が何か欲しいものがあった時は、以下のように考えませんでしょうか?
- 出来る限り、安く買いたい
- 将来の価値が分からなくて不安
- デメリットを強く意識する
欲しい銘柄の株価を見た時に「今株価は下がっているから、もう少し待てば今より安い値段で買える気がする」という感情になることは珍しくありません。
銘柄を手に入れる際には将来の価格を気にし過ぎますし、投資自体が初めてであれば「投資で損をしたらどうしよう」など最悪の事態を心配し過ぎてしまう人もいるはずです。
株式投資を続けていると、そういう心理が保有効果によって薄れていきます。それが悪い方向に進むと、投資でリスクを取り過ぎってしまったり、損切りのタイミングを逃してしまうことにもつながりますので、注意が必要です。
とにかく、自分に保有効果がかかっているかを確かめるためには、保有する前や保有してない人の意見を参考にすることもおすすめです。
保有効果で生まれるギャップ
保有効果と保有効果を受けていない人の心理に気づくと、自ずと適正価格への理解も深まります。
適正価格とは売りたい人と買いたい人の双方が納得する価格です。
双方が納得する価格でなければ、取引は成立しません。
適正価格とは、買い手にとっては高すぎる価格になりやすく、売り手にとっては低すぎる価格になりやすいものです。
保有効果を是正する
適正価格を知るためには、以下の方法があります。
まずは市場の価格(チャート)を受け入れること。
実際にその価格で取引が成立しているのですから、各自投資家が「もっと高い値段で取引すべきだ!」と市場に逆らって見せても意味はありません。
現実を受け入れつつ、なぜその価格となるのかを考え、次の行動につなげる方が賢明です。
また市場価格を受け入れられない場合は、何か情報を見落としてしまっている可能性もあります。その場合は、自分と違う考えの人の意見を参考にしたり、時に多数派となる投資初心者の意見にも耳を傾けることは必要です。
自分に知識があるなどと過信し過ぎて、情報を遮断してしまうのは愚の骨頂となります。
最終的に取引を成立させる際には、自分の判断で行うべきです。
インフルエンサーなどの言葉に流されてはいけませんし、自分のポートフォリオを見つめ直した上で、どの程度のリスクまでなら許容できるかを自信の判断で決めていきましょう。