国税庁がNFTの税金ルールを公開

2021年頃から仮想通貨界隈で爆発的に人気となっているNFT(非代替性トークン)ですが、税制上の取り扱いについては不明瞭な点が多くあったことから、2023年1月国税庁はNFTに関する税制上の取り扱い(FAQ)を公開しました。


上記の書類では所得税や法人税、贈与税などの質問が全部で15問公開されています。その中から気になる項目をピックアップして紹介していきます。


NFTの譲渡益は雑所得

    【問1】
    私は、デジタルアートを制作し、そのデジタルアートを紐づけたNFTをマーケットプレイスを通じて第三者に有償で譲渡しました。これにより、NFTを購入した第三者は、当該デジタルアートを閲覧することができるようになります。この場合の所得税の取扱いを教えて下さい。

    【国税庁の解答】
    デジタルアートを制作し、そのデジタルアートを紐づけたNFTを譲渡したことにより得た利益は、所得税の課税対象となります。

NFTを販売して利益を得た場合、その収益は雑所得として申告する必要があります。自分が制作したNFTが転売されるたびに収益が得られる二次流通収入であっても、同様に課税対象となる点も把握しておきましょう。

ただし、法人として利益を得ている場合は、事業所得に区分され、法人税の課税対象となります。

また第三者から購入したNFTを転売して利益を得た場合も上記と同様に雑所得(又は事業所得)として区分されます。さらに収益が赤字となった場合は他の所得と損益通算が可能となります。


注意点をまとめると、以下の通りです。

  • NFTの譲渡益は雑所得へ区分される
  • 二次流通で得た収益も課税対象となる
  • 転売して利益を得た場合も同様に区分される
  • 法人の場合は法人税の課税対象となる
  • 赤字なら他の所得と損益通算できる

ちなみに、NFTを無償で受け取った場合でもNFTに経済的価値がある場合には贈与税の対象となります(問9に明記されています)。受け渡した側に支払い義務は発生しません。


NFTが盗まれたら雑損控除の対象となる

次はNFTが悪意のあるハッカーに盗まれたり、消失した場合の取り扱いです。

    【問5】
    私は、デジタルアートの制作者からデジタルアートを紐づけたNFTを購入し、当該デジタルアートを閲覧することができました。今般、第三者の不正アクセスにより、購入したNFTが消失しました。この場合の所得税の取扱いを教えてください。

    【国税庁の解答】
    第三者の不正アクセスにより、購入したNFTが消失した場合の所得税の取扱いは、次の とおりです。
  • そのNFTが生活に通常必要でない資産や事業用資産等に該当せず、かつ、そのNFTの消失が、盗難等に該当する場合には、雑損控除の対象となります。
  • そのNFTが事業用資産等に該当する場合には、その損失について、事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

雑損控除とは、災害又は盗難若しくは横領によって資産の損害を受けた場合等に受けることができる所得控除です。所得税法上、事業用資産等の損失については事業所得又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

高額なNFTが盗まれてしまった場合、税金支払いだけが残るという状態にはなりません。

ゲーム内通貨も課税対象となる

    【問8】
    私は、ブロックチェーンゲームをプレイし、その報酬として、ゲーム内通貨(トークン) を取得しました。この場合の所得税の取扱いを教えてください。

    【国税庁の解答】
    ブロックチェーンゲームで得た報酬は、原則として、所得税の課税対象となります。

ゲーム内でしか利用できないNFTであれば、課税対象ではありません。

しかし、そのトークンが取引所などを介して現金に交換可能な場合(NFTを現金で売買可能な場合)は取得のためにかかった必要経費を差し引いた利益分が課税対象となります。

なおゲーム内通貨の評価は煩雑になることが予想されるため、年末の一括評価で算出することも可能とのこと。


現時点ではブロックチェーンゲームでイーサリアムなどの現金に変えられる通貨を稼げるゲームが存在しますし、NFTではありませんが、去年流行った仮想通貨STEPN(ステップン)もおそらく同じ分類で評価されるはずです。海外の取引所を経由したとしても最終的に日本円に戻すためには国内の仮想通貨取引所を利用することとなるため、脱税などは出来ません。

大きく稼いだ方は十分注意が必要です。


NFTに消費税はかかる

事業者としてNFTの取引を行う際には消費税が課税されます。

    【問11】
    私はデジタルアート(著作物)の制作を行っている個人事業者ですが、制作したデジタルアートを紐づけたNFTをマーケットプレイスを通じて日本の消費者に有償で譲渡しました。これにより、私はNFTの譲渡を受けた日本の消費者に対して、当該デジタルアートの利用を許諾することとなります。この場合の消費税の取扱いを教えて下さい。

    【国税庁の解答】
    本取引は、デジタルアートの制作者(質問者)が、事業として、対価を得て日本の消費者に対して行う著作物の利用の許諾に係る取引であり、電気通信利用役務の提供として、デジタルアートの制作者に消費税が課されます。

つまり、事業者はNFT購入者へ消費税を請求し、売上高に対して消費税が課されることとなります。なお給与所得者が行う取引であっても、対価を得て行われる資産の譲渡等が反復、継続、独立して行われるものであれば「事業として」の取引に該当します。


まとめ

ここまで4つの事例を取り上げてきましたが、まとめてみると以下の通りです。

  • NFTの譲渡益は雑所得へ区分される
  • 二次流通で得た収益も課税対象となる
  • 転売して利益を得た場合も同様に区分される
  • 法人の場合は法人税の課税対象となる
  • 赤字なら他の所得と損益通算できる
  • NFTに経済的価値がある場合は贈与税の対象となる
  • NFTが盗まれたら雑損控除の対象となる
  • ゲーム内通貨も課税対象となる
  • NFTに消費税はかかる

詳しくは国税庁の資料をご覧頂けると幸いです。

税制は変更や解釈がかわることが多々あるため、個別の事例を判断するためには最寄りの税務署に問い合わせるなど、細心の注意が必要なことはご留意ください。