バフェットが出した「犬のなぞなぞ」
著名投資家ウォーレン・バフェットはバークシャーハサウェイの年次書簡にて、何度か「犬のなぞなぞ」を引用しています。それはリンカーン元大統領が作った話であり、投資家にとって有益な考え方を教えてくれるキッカケとなります。
そのなぞなぞの質問は以下の通り。
「犬の尻尾を1本の脚と呼んだ場合、犬の脚は何本になるか?」
是非、皆さんも一緒に考えてみてください。
なぞなぞの答え
リンカーン元大統領が出した答えは、4本。
「なぜなら、尻尾を脚と呼んだからといって、脚になるわけではないから」
おそらく多くの人は脚を5本と数えたのではないでしょうか。
質問の情報を信じ、5本あるであろうと考えてしまうことは誰にでもあるはずです。
ですが、リンカーン元大統領とバフェットから伝えられる「尻尾を脚と呼んだからといって、脚になるわけではないから」という答えが、1つの情報を過信してしまった自分に大きな気づきを与えてくれます。
過信するリスク
私たちは、たびたびSNSインフルエンサーが発信する情報や有名なアナリストの情報を信じて疑わないことがあります。
- あの人が言っているんだから間違えないだろう
- 信用ある大手のランキングサイトで1位なら絶対に良い商品のはずだ
など実物を確かめていないにも関わらず、あたかも自分が体験したかのように物事を語り、思い込んでしまう事は珍しいことはないと理解できた時、自分の愚かさ、単純さにも気づくことができます。
リンカーン元大統領とバフェットが「犬の尻尾を1本の脚と呼んだ場合」と言えば、彼らが言うのだから実際に尻尾は脚なんだと思うでしょう。ですが、彼らの強い言葉や発言力は私たちの考える選択肢を消し去ることにもなります。
天才投資家の言葉が必ずしも自分自身にとって「良い情報」であるかはわかりません。
人によっては人生を狂わすことになるかもしれませんし、考える機会を潰されることで頭が回らなくなり、大きな損失を受けてしまうかもしれません。
自分の頭で考えること
損失を避けて、より良い人生を選択し続けるためには、「自分の頭で考えること」がとても重要に思えます。
だからこそ、インフルエンサーだけの言葉を信じるのではなく、もっと他の方法で情報を取りに行ったり、複数の情報を比較するなど、違う角度で物事を考えて、相対的に判断することが有用です。
まだ誰も知らない未来には「絶対」はありませんから、常に複数パターンのシナリオを分析しておくことは、投資家にとって大切な考え方です。
そんなことを教えてくれる「犬のなぞなぞ」をバフェットが何度も引用していたことに感謝します。