長期投資の間違った失敗

大抵の人は株価が自分の買った値段より下がった時点で失敗と考える人が多いと思います。ですからリーマンショックやITバブルのような株価暴落が起きると、その失敗を認識して資産を売却後、投資から離れていく人が増えるんです。

長期投資を考える上では、株価暴落に遭遇する確率は100%と考えるのが一般的です。過去の株価チャートを見ても10年に一度以上の確率で株価が10%以上下がるので、その間で満足のいく利益を上げて投資人生を終了することは考えにくくなります。

S&P500年間リターン


そして株価暴落を乗り越える方法は当ブログでも何度も記事しています。


「株価暴落 = 投資人生終了」は知識のない証です。

投資の失敗は株価暴落だけでは決まりません。


失敗は指数で決まる

自分の投資が失敗か否かは、指数を参考にするのが一般的です。

利用する指数は米国株ならS&P500やダウ平均株価、日本株なら日経225やTOPIXが妥当です。

指数に対して自分の運用パフォーマンスが上回っていれば成功ですし、下振れすれば指数を買っておいた方が良かった、もしくは銘柄選定や投資タイミングを間違えてしまったという判断になります。

これを使えば、たとえポートフォリオがマイナスに動いていたとしても、指数がそれよりも下がっているタイミングであれば、投資は成功と考えることが出来ます。

例えば、直近1年のS&P500のパフォーマンスは-16%となり、同時期にテスラに投資をすれば運用パフォーマンスは-66%と(この1年間という期間において)大失敗をすることとなります。

1年間の株価推移
出典:Google Finance

ですが、同期間にP&Gに投資をした場合は運用パフォーマンスが-5.28%とマイナスとなりますが、S&P500に比べるとパフォーマンスを上回っているため、投資は成功と判断することが出来ます。


考え方を見直す

繰り返しになりますが、株価暴落を避けることはできません。言い換えると、株価のトレンドに逆らうことは個人投資家では不可能です。今ある相場の中でどう立ち回るか、時にはマイナスを受け入れ、次の上昇相場でどう資産をプラスへと持っていけるかが投資家としての腕の見せ所です。

株価暴落でメンタルを揺さぶられることなく、長期投資を続けていくためには以下のような考え方が大切です。

  • 指数や株価トレンドは個人の力ではどうにもならない
  • 株価暴落も当然避けられない、受け入れるべき
  • 指数以上 or 同じパフォーマンスなら投資は成功
  • 株価がマイナス = 投資の失敗ではない

上記のような考え方があれば、株価が暴落してもメンタルが崩れる可能性が低くなります。加えて、株価暴落は絶好の投資機会でもあるわけですから、投資が上手くなるキッカケにもなります。

著名投資家であるウォーレン・バフェットも以下の言葉を残しています。

    株式市場は忍耐力の無い人達から忍耐強い人達へ資金を移動させる装置だ(ウォーレン・バフェット)

株価暴落時に正しい投資判断を継続するためには「投資の失敗」をどう定義するかが重要ですので、今回の記事が参考になれば幸いです。