FIREに失敗する理由
早期退職を意味するFIREですが、現在でも書店を見ればFIREに関連する本が並んでおり、経済的に自立したいと考える人は少なくないと思います。
FIREという語源を作ったピーター氏は、エンジニアの仕事で稼いだ生活費25年分の資産を年利4%以上で運用しつつ、労働をやめて生活する様子を自身のブログで発信した人物です。
日本では不可能
FIREに失敗しやすい理由の1つは、日本という国で「生活費25年分の資産を稼ぐこと」が難しいという現状があります。
例えば、1ヶ月の生活費が30万円だとすると、25年分の生活費というのは、9,000万円の資産が必要ということになります、
日本人の平均金融資産は中央値で400万円程度です。
出典:金融広報中央委員会「知るぽると」資産400万円だとして1ヶ月1.3万円で生活することも不可能ですし、9,000万円の資産を保有できる人が皆無の状況では、FIREがいかに難しいかがわかります。
億り人の8割はサラリーマン
FIREに失敗する理由の2つ目は、お金持ちの多くが普通の会社員であるということです。
「となりの億万長者」を書いた大江英樹氏によると、億り人(1億円以上の資産を持つ人)の8割〜9割が普通のサラリーマンだと言います。
大江氏よると、実際の億り人はこんな人たちだそうです。
- 普通のサラリーマン
- 衣類はユニクロ
- 自動車はトヨタヴィッツや日産ノート
- 週末、家族と木曽路で食事
- 普通のマンション住まい
日本人のほとんどが会社員であるという現状を考えれば、至極当たり前の結果と言えます。
以前、国税庁の資料を参考に1億円以上稼いだ人の所得区分を調べたことがありましたが、会社の給与から1億円を稼いだ人の割合は28.5%でした。

それ以外を見ると、不動産や会社の売買、株式投資などで利益を上げた人となりますが、背景を考えると、会社員を続けながら、上記ことで稼いだ人が多いのかもしれません。
無職でビットコインだけで1億円以上の利益を上げたり、親からもらった不動産だけで資産を運用し続けている人というのはほんの一握りの世界と考えると、納得できる部分は少なからずあるはずです。
まとめ
経済的自立をしながら早期退職(FIRE)が難しい理由は以下の通りです。
- 日本では25年分の生活費を用意できない
- お金持ちの多くが普通のサラリーマン
今後「お金持ちを目指したい」と思った際には、労働から離れるという考えではなく、一生付き合える仕事を見つけつつ、生活の土台を守りながら、新たな収入源を見つけにいくことが成功の近道だと思います。