含み益がある特別口座資産は新NISAへ移すべき?

2023年度の税制改正大綱が決定したことにより、2024年度以降から現行制度より投資枠が大幅に広がった新しいNISA制度が始まります。

以前の記事でも書きましたが、非課税枠が余る場合は特定口座からNISA口座へ資産を移す大・大・大チャンスが到来します。将来性の低い投資信託などを入れ替えるスイッチングもOKです。


今回お伝えしたいのは、特別口座で投資をしている資産に大きな含み益がある場合、NISA口座へ移動をさせるべきなのかということです。

税金支払いなども考えると、含み益のまま特別口座で保有し続ける方が将来のリターンは大きくなるのではないかと心配されている方もいるはずです。

今回は私の意見をお伝えさせて頂きます。


基本は早めに移すべき

まず、お伝えしたいのは、特別口座の含み益に関わらず、基本はNISA口座へ資産を移動することをお勧めします。

なぜそうするかという理由は、将来の利回りが大きくなるほど特別口座で保有すれば将来支払う税金額が大きくなり、実際に受け取れるリターンが少なくなるからです。

逆に含み益がある状態で将来のリターンがマイナスになる場合はどうかというと、後で詳細を記述する予定ですが、デメリットはほとんどありません。むしろ早期に資産を移動させないことにる機会損失分のデメリットの方が大きいと私は思います。

加えて、岸田内閣で検討されている金融所得課税の強化が実現され、現状の株式投資にかかる税率が20%から25%などに引き上げられることがあれば、NISAで保有するメリットはさらに大きくなります。



将来の利回りがマイナスだったら?

将来の利回りがマイナスとなる場合、資産推移がどうなるのかを過去の暴落相場を使って説明します。

リーマンショックを含む2008年8月から2013年8月までの相場において、120万円(含み益は40万円)の資産を一括でNISA口座へ移動させる場合と、毎月10万円ずつ分割で移動させる場合の資産推移を比較してみました。

特別口座からNISAへ移動


赤の線のように特別口座から毎月10万円ずつ資産をNISA口座へ移動させた場合、大まかには同じような資産推移を辿るのですが、税金の支払いが遅い分だけ、資産価格はゆっくりと下がる傾向があります。

ですが、価格が上がる時には税金の支払いが負荷となり、資産の上昇率が遅くなる傾向もあるため、底をつけた2009年2月以降の上昇相場では一括で資産を移動した方が資産の伸びは良くなっていました。

資産の急激な落下を抑えたい投資家にとっては分割して資産を移動させることで資産の下落幅を短期的に抑える効果がありそうですが、長期的に考えると、機会損失をしてしまう可能性もあり、資産下落の恐怖に耐えられるのであれば、早めに移動しておく方が良いのかなと思われます。


注意点

今回のシミュレーションで注意点があるとすれば、資産売却時の価格と買付時の取得単価を同じ価格で計算していることです。本来、投資信託を売却してから購入する間には価格が変動するので、その変動幅が大きいほど、投資家にはリスクとなることは認識してく必要があります。