消費増税は個人消費を下げる?
消費税が上がると個人消費が下がるのか、内閣府HPで公開されているGDPデータを参考に個人消費(民間最終消費支出)と消費税の推移をグラフ化してみました。

1994年から2021年までの間で見ると、個人消費は年間269兆円付近から305兆円付近まで上昇しています。途中のリーマンショックと直近のコロナの影響を受けて大きく下がっていますが、全体的に見ると右肩上がりの傾向があるようです。
消費増税の歴史
消費税は1989年までは0%でしたが、同年4月より3%へ引き上げ、1997年4月に5%、2014年4月に8%、2019年10月に10%へと引き上げられています。
長期的には消費税を上げても個人消費が右肩上がりでしたが、短期的に見ると見方が変わります。
直近の5年間を見ると、消費税が10%へと引き上げられる直前までは駆け込み需要は発生し、個人消費を押し上げましたが、その後のコロナの影響とともに13兆円規模の個人消費が吹き飛びます。

消費税を上げると発表すると、駆け込み需要が始まり、消費が落ち、消費が慣れるという循環があるように思えます。
もう1つ前の消費増税のタイミングで同じデータを見ると、消費増税後の減少幅は緩やかで、消費税を上げる度に消費減少の効果が増しているようにも感じます。

消費税10%へ引き上げたタイミングでは翌年に13兆円も吹っ飛びましたが、8%への引き上げでは消費が落ちるのが翌々年と1年遅く、減少幅も2兆円規模とかなり緩やかです。
最後に5%への消費増税を見てみると、増税した翌年に消費が落ち込みますが、減少幅が2兆円となり、消費増税は繰り返すたびに消費減少の効果が増えているように思えます。

消費増税の効果まとめ
消費増税の効果をまとめると、以下の通りです。
- 消費増税前は駆け込み需要が発生する
- 消費増税後は短期的に消費が落ちる
- 消費増税を繰り返すたび消費減少は大きくなる
- 消費増税に慣れると消費が増える
ちなみに、消費減税をすると消費が上がるかは今まで一度も試されたことがないため、効果はわかりませんが、消費増税で駆け込み需要が発生する動きを見ると、きっと個人消費は上がるんだろうなと思えてなりません。