つみたてNISAやめた方がいい人

つみたてNISAとは、決められた金額以内の投資で利益が出た時の税金支払いが免除される制度のこと。株式投資は20%もの税金が取られますが、それが免除されるとあって人気となり、2022年3月末時点では586万口座も利用されています。

NISA口座の推移(2022年3月末まで)
関連記事:NISAの利用状況、ジュニアNISA急増の理由

投資を始めるのであれば真っ先にお勧めしたい投資制度ですが、すべての人におすすめかというと、そうではありません。

今回はつみたてNISAを始めるべきではない人の特徴を解説していきます。

生活防衛費が3ヶ月未満の人

最初に紹介する特徴は「生活防衛費が3ヶ月未満の人」です。

生活防衛費とは、銀行口座に入っているお金で将来使う予定がない金額を意味します。何か特別なことがない限り、普段は全く手をつけないお金のことです。

その生活防衛費が3ヶ月分の生活費を下回る人はつみたてNISAを含め、投資そのものを始めるのは早すぎます。投資をするより節約と給料UPをしながら、まずは生活防衛費を3ヶ月分以上貯めることに専念するべきです。

なぜ生活防衛費が必要かというと、投資には必ずリスクがあるからです。

投資した資金が大きく減ってしまったと同時に何か大きな病気を患ってしまったり、働けなくなって生活費を工面できなくなってしまったら、生活防衛費がなければ、人生をやり直すために大きな苦労を強いられることになったり、無理に借金をするなど再復帰まで時間がかかってしまうことにもなります。

加えて、生活防衛費がないと「投資で絶対に成功しなければいけない」という思いが強くなりすぎてしまい、冷静な投資判断ができなくなる人も少なくありません。

投資は余裕資金で行うものですから、生活防衛費が少ない人は資金を貯めてから始める方が得策です。

10年以内に売りたい人

つみたてNISAをやめた方がいい人の特徴2つ目は、10年以内に投資した資産を売却する予定の人です。例えば、今の暮らしを豊かにしたいとか、3年後に海外旅行に行きたいなど、そういう目的でつみたてNISAを始める人は向いていません。

その理由は投資期間が短期間になるほど、利回り(投資の利益)が安定しない可能性が高いからです。

S&P500年間平均リターン



上記は米国株式指数の年間平均リターンですが、投資期間が長くなるほど最低リターンが小さくなっていることが確認できます。1928年以降、どの時代においてもS&P500に40年間投資した場合は投資資産がマイナスになったことはありません。逆に1年間のみの投資であればマイナス47%からプラス46%の範囲内で資産が増減したというデータになります。

繰り返しになりますが、投資期間が長いほどリターンはマイナスにもプラスにもなりずらく、投資期間を伸ばすほど年間リターンは6〜7%程度に近づいていきます。

長期的な投資ほどリターンが予想しやしく、短期的な投資ほどギャンブルになりやすいため、つみたてNISAをやるなら老後資産などできる限り長い間使う予定がないお金を運用する方がプラスになりやすい傾向があります。

だからこそ投資をしたお金をすぐに使いたい人は、つみたてNISAに向いていません。

ニュースを読む習慣がない人

最後の特徴は、日経新聞やブルームバーグなどの経済情報を毎日見る習慣がない人です。

以下の記事にも書いた内容ですが、ニュースを読む習慣がある人ほど金融リテラシーも年収も高く、資産も多く保有している傾向にあります。


つみたてNISAは「ほったらかし投資」とも言われますが、知識がなければ途中で投資を辞めてしまったり、資産を売却してはいけないタイミングで狼狽売りしてしまう可能性が高くなります。人によっては有名インフルエンサーなどが発信する「今買うべきだ」「今すぐ売れ」というような主張を信じてしまい、大切な資産を大きく減らしてしまうことにもなりかねません。

大切な資産を守るということは、「知識をつける」「自分の頭で考える」ということです。

詐欺や初歩的なミスから大切な資産を守るためには、「誰かに教えてもらおう」とか考えるのではなく、自分の頭で考える癖をつけてから投資を始める方が損をしにくくなります。