会計検査とは?

会計検査とは、国のお金(税金)が適切に使われているかをチェックすることです。その機能を担うのが会計検査院となります。

会計検査は国のすべての会計のほか、国が出資している政府関係機関、独立行政法人、財政援助を与えている都道府県などが調査対象となります。

詳しくは会計検査院のホームページをご覧下さい。


税金の無駄遣いランキング

2022年11月7日、会計検査院は2021年決算検査報告書を公表しました。内容を見ると、給付や補助金などの支出に関するものの中で不当事項と認識された件数は全部で256件、総額86億円に上ることがわかります。

会計検査
出典:会計検査院

上記の表にもある通り、支出に関する項目は工事、物件、役務、保険給付など全部で8項目あります。この中から無駄遣い金額が大きい項目をランキング形式で紹介していきます。


3位:役務

役務とは、委託先の支払い(税金)を大きく払い過ぎた不当事項です。発生件数は11件(総額1億3,388万余円)となります。

中でも大きかったのは、新型コロナウイルス感染症に感染した入国者の入院費です。支払うはずのない消費税を含めて予算が組まれていたため、医療機関への支払いが大きくなりすぎた案件が5件発生し、総額4,258万円余りの税金が余分に医療機関へと振り込まれました。

その他、役務での不当事項としては、建設労働者雇用支援事業の委託費が正しく報告されておらず、1件で3,062万余円も多く税金が支払われています。


2位:その他

その他とは、工事、物件、役務、保険給付などの支出に関する項目のどれにも該当しない項目となります。その他の不当事項は17件となり、総額4億4,432万余円の無駄遣いが発覚しました。

中でも大きかったのは総務省が管轄する特別交付税が過大に使われていた案件となります。

特別交付税とは、災害補助金などに使われる地方交付税のことです。

本来加えるべきではない予算を特別交付税の中に重複して経費を組み込んだため、必要以上の特別交付税を交付した案件が全部で10件、総額3億4,151万円が発覚しました。


1位:補助金

2021年に最もわたしたちの税金が無駄に使われたのは「補助金」です。

総額は77億5,934万円で件数では221件も発生しました。

中でも金額が大きいのは、医療・介護・障害福祉に従事される方々へ給付された新型コロナ緊急包括支援交付金が過大に給付されており、合計32件、金額では55億918 万余円となりました。

それ以外では、国民健康保険の財政調整交付金と生活扶助費等負担金がそれぞれ3億円ずつ過大に交付されていた件も発覚しています。


まとめ

これだけ多くの税金を無駄に垂れ流している中では、増税案を検討するよりも不当に交付された(もしくは算出された)税金を回収する事が先だと誰もが思うはずです。

ましてや、税金の計算ミスを毎年繰り返していること自体不思議でなりませんし、ITシステムや二重・三重のチェック機能は2022年現在で実施されていないことに驚きます。

今後わたしたちの税金を1円も無駄に使わないことは当たり前ですし、民間企業なら予算管理だけでなく、投資額に対しての費用対効果や危機管理効果を検証するものですが、政府はそれも実施できてないのがの問題だと感じてしまいます。