ハードウォレットの使い方の注意点
FTXの事件を受けて、仮想通貨の資産管理方法を検討する投資家が増えているそうです。真っ先に考える方法としては取引所からハードウォレットへの資産移動ではないでしょうか。
ハードウォレットとは、USBのような形状をしている仮想通貨専用のウォレットのこと。インターネットに繋がらない状態で保管できるため、ハッキングリスクに強く、資産を安全に保管できることが最大のメリットです。
ですが、デメリットとしては資産を移動するのに神経を使いますし、ファームウェアと言って定期的なシステムのアップデートが必要になるため、取り扱いがマジで厄介なところが難点です。
今回、記事を書こうと思った目的は「ファームウェアのアップデートをしばらくしていないと、資産を引き出せなくなるリスクがある」と思ったからです。これから詳しく解説していきます。
Ledger Nano S ファームウェアのアップデート
おそらく世界で最も多く売れているハードウォレットが「Ledger Nano」というハードウォレットですが、その中でも古くからあるモデルがLedger Nano Sです。
Ledger Nanoも定期的にシステム(ファームウェア)が入れ替わっており、最新バーションは2022年11月時点で「バージョン2.1.0」となっています。これより古いファームウェアを使っている方は自分のPCにハードウォレットをつないでアップデートを作業する必要があります。
ここからが重要です。
ファームウェアのバージョンが1.5.5以前の場合、もしくはアプリの空き容量が足りない場合は「一度アプリをアンインストールした後でファームウェアをアップデートする必要があります。アンインストール後はリカバリーフレーズを控えてないと資産は取り出せなくなります。
リカバリーフレーズとは、ハードウォレットが破損したり、無くした時でもウォレットの秘密鍵を取り戻すことが出来る究極のパスワードです。ウォレット1つに付き24個のフレーズで対応しています。その24つ全部を保存しておけば、万が一ハードウォレットを無くしたり、壊しても資産を引き出すことができます。
大事な部分ですので繰り返しになりますが、ファームウェアをアップデートする際に24個のキーフレーズを保管しないままアプリをアンインストールすると資産が取り出せなくなります。
この現象を「セルフGOX」というのですが、仮に数百万円や数千万円のビットコインを取り出せなくなれば、洒落になりませんし、誰も助けてくれません。
ハードウォレットのファームウェアをアップデートする際は十二分に気をつけて行いましょう。