FTXの影響を受けたビットコイン

大手仮想通貨取引所であるFTXの破産により、仮想通貨市場は大きく下落しています。

ことの発端はFTXの親会社であるアラメダリサーチの破綻リスクが顕著化したことから始まります。詳細は以下の記事をご覧ください。


アラメダリサーチとは、様々な仮想通貨プロジェクトに投資する会社ですが、保有する資産のほとんどがFTXの自社トークンであるFTTであり、その保有量は市場に流通している額と比較すると2倍以上のトークンを保有していました。

仮にアラメダの投資事業が失敗すればFTTを担保にされ、市場へと大量に流れる可能性があり、その後FTTの暴落は避けられない状況です。おそらくその状況を事前に知っていたバイナンスCEOのCZがFTTを少しずつ売却することをツイッターで表明すると、その情報を察知したFTTトークンホルダーは一斉にFTTおよびFTXに預けている資産の売却に殺到したわけです。

その後の流れは各メディアで何度も掲載されていますが、FTXのCEOであるSBF氏がアラメダリサーチを使って綱渡のような経営を行なった結果と信用の薄さが招いた破綻事件となったわけです。

結果としてFTTはほぼ無価値となり、ビットコインも20%以上下落することとなりました。


今後の展開を予想

将来を予想するのは(当たらないので)好きではありませんが、おそらく現状よりももう少しビットコイン価格は下げてしまうリスクがあります。

要因の1つは今回の下落で採算の取れないマイニングファームが破綻するリスクです。マイングファームが破綻すると、採掘したビットコインを売却することで負債を清算するため、BTC価格が下がりやすくなります。

要因の2つ目はショートポジションの増加です。売り圧がかかっている今はショート(空売り)注文で儲けようとする投資家が増えます。単純に売り圧が強くなるということです。ビットコインはテクニカルで短期的に儲けようとトレードする投資家が多いため、チャンスと見て大量にお金を突っ込んでくる投資家は少なからずいるでしょう。

要因の3つ目はビットコイン価格が$19,000を下回ったことです。$19,000は2018年のコインチェック事件が起こる前の最高値でアルトコインブームが起きた2017年の価格です。この価格を下回ることで当時の投資家が含み損ギリギリ、もしくは含み損となるラインになるので、そのタイミングでビットコインを手放す人が増える可能性があります。


他にもいくつかの要因はあるかと思いますが、考えやすいのは上記3つとなるのではないでしょうか。

あくまでも予想なので、信じないようにしてください。


とりあえず3年耐えろ!

過去にビットコインへの投資で損をしたのは短期トレーダーだけです。もっと詳しく断定するならば、3年未満でビットコインを売却する投資家は損をしやすいです。

ビットコインは3年以上保有したら、損をしている人はいなかったとツイートしたことがあります。



今回最も主張したいのは「とりあえず3年耐えろ」ということです。

当然のことながら未来のことは誰にもわかりませんし、将来のBTC価格は今よりもずっと下回るかもしれません。ですが過去の8年間のデータからわかるのは、3年以上保有してたら1人も損失者がいなかったという事実です。

上記ツイートは2022年のビットコイン価格をFTXが破綻する前の$20,209で計算していますが、破綻後の$16,282で計算すると、以下の結果となります。

ビットコイン投資の年間平均リターン


5年間投資した場合の最低リターンが6%から3%に下がってしまいました。これは2018年から2022年まで投資した時の年間平均リターンとなります。含み損までギリギリのラインです。

今年のビットコイン下落率は-65%。過去最大の下落率を記録したのは2018年の-73%と同等レベルの下落相場となったわけです。


ブームで買うな

先ほどのデータからの教訓はもう1つあります。それは「ビットコインが話題になってない時に買え」です。もう一度同じデータを見て頂きたいのですが、パフォーマンスが低いのは投資開始から3年未満です。

ビットコイン投資の年間平均リターン


具体的な投資時期を絞るのであれば、2015年、2018年、2021年から2年間投資した人、もしくは2014年、2018年、2022年の1年間だけ投資をした人がビットコイン投資で損失を被ったことになります。

上記の条件で含み損を抱えた人の共通点は「ビットコイン価格が暴騰した年の翌年に投資をしている」ということです。ビットコインがブームになった後で投資をしているのでリターンがマイナスもしくは含み損ギリギリのラインに近づきます。


対して上記以外の年に投資をていれば、年間平均リターンはずっと上がって最大年間平均68%まで跳ね上がります。ブームに関係なく投資が出来るだけで10倍以上も平均リターンが変化することは些細なことではありません。

繰り返しになりますが、未来の価格は予想できません。

ですがビットコインが上がった時だけ投資をするやり方は失敗する可能性は高いと思われます。逆に下がった時や上がってない時に投資をする方がチャンスは大きいかもしれません。

最終判断は自分で考えるべきですし、過去のデータはあくまで参考値です。

ですが過去から何も学ばないのは愚かだとも思います。