投資で利益をあげるために大切なのは、どの銘柄をどのぐらいの比率で持つかという「ポートフォリオ」です。最適なポートフォリオがわかっていれば、投資のロジックや儲かるための方法論は後付けでしかありません。

今回は10年前の米国株で時価総額上位の銘柄を上から順番に均等割で購入したら、米国株指数であるS&P500に勝てるのかを検証してみたいと思います。


10年前の時価総額上位銘柄

約10年前となる2012年3月29日時点での時価総額上位銘柄は以下のようになります。


時価総額上位銘柄(2012年3月29日時点)
銘柄名 時価総額
Apple$568,615 M
Exxon Mobil$405,714 M
Microsoft$269,511 M
IBM$241,314 M
Chevron$211,238 M
General Electric$211,096 M
Google$210,835 M
Wal-Mart$207,064 M
Berkshire Hathaway$202,095 M
AT&T$185,036 M

上記銘柄を10%ずつ保有した場合とS&P500指数に連動するETFにそれぞれ投資した場合、どのような資産推移になるのかをバックテストが出来る「portfoliovisualizer」を使って検証してみます。


インデックス投資と比較

以下が比較結果となるグラフとなりますが、青線となるPortfolio 1が10年前の時価総額上位銘柄を均等割で投資した資産推移となります(リバランスはなし)。赤線のPortfolio 2がS&P500ETFとなるSPYの資産推移です。

portfoliovisualizer1
出典:portfoliovisualizer

2019年末まではSPYの方が若干好調でしたがコロナショック以降で逆転、差が開き始めます。年間リターンを見ると、2012年から2014年まではSPYが高いリターンを出していますが、2015年、2016年と2019年以降の相場においては10年前の時価総額上位銘柄が活躍する結果となりました。

portfoliovisualizer2
出典:portfoliovisualizer


まとめ

二つの資産推移を見ると、約12年間の年平均成長率(CAGR)の差は1.71ptとなり、手数料以上には得をしていますが、大した差はありません。


Portfolio Returns
項目 Portfolio1 Portfolio2
Initial Balance$10,000$10,000
Final Balance$44,390$37,729
CAGR14.75%13.04%
Stdev15.02%14.28%
Best Year41.88%32.31%
Worst Year-15.35%-17.75%
Max. Drawdown-21.60%-23.93%
Sharpe Ratio0.950.89
Sortino Ratio1.581.38
Market Correlation0.911.00

結果としては大きな差は生まれませんでしたが、個別株を保有することは想像以上の不安とリスクがつきものです。

今回は簡単に「上位銘柄を均等割で投資したら」という検証になりましたが、実際に上位銘柄を均等割で投資できるかは疑問です。人間だれしもバイアスがかかるものなので、現時点での上位銘柄を見たときに「テスラは投資割合を抑えよう」とか「アップルはもっと買っておいた方がいい」などの思惑が邪魔してきますし、指数を下回る期間が長ければ途中で損切りをするなど、機械的な思考を維持できず、人間としてのリスクが長期投資を妨げる懸念があります。

実践的な投資方法を考えるのであれば、時価総額上位銘柄に投資をするより指数を持ち続ける方が精神的には安心だと思います。それでも個別株に挑戦するのであれば、時価総額以外の要素も多分に検討した上で勝負する方が良いのではないでしょうか。