資産形成と言えば「現金を蓄える」というイメージが強く、金融商品を使った投資に馴染みがない人がほとんどです。今回は全人口の8割程度いる投資をしてない人が投資を考える上で間違えやすいことを紹介していきます。

株は9割が損をする

投資は「ギャンブル」「損するのが怖い」というイメージが先行し、株式投資で勝てる人がごくわずかであると考えている人は少なくありません。勝てないイメージが強いからこそ投資人口が増えないでしょうし、投資の現状について勉強する機会や行動を起こす人が少なければ、イメージを払拭するのは難しいことだと思います。

大前提として投資の結果を判断するのはどのぐらいの期間で測るか、どの投資手法で判断するのかが非常に重要です。FXや仮想通貨などのハイリスク投資で開始1ヶ月間での結果であれば、損失を抱える人は9割近い損失者がいるでしょう。投資信託やETFを20年間以上投資し続けるようなインデックス投資であれば、過去の結果ではほぼ100%に近いぐらいで元本割れは起きていません。

「株は9割が損をする」というイメージは投資手法も投資期間もごちゃまぜにしているため誤解を生みやすいですが、リスク許容度を守りながらインデックス投資を数十年続ける投資であれば、9割も失敗する可能性は限りなくゼロに近いです。


ちなみに、日本全国の297の金融業者を対象にした金融庁のデータ(2019年12月末時点での投資信託の運用損益別顧客比率)によれば、運用益が0%以上となった顧客の割合は66%と多数派を占めおり、運用益がマイナスとなった顧客の割合は34%でした。

投資信託の運用損益
出典:金融庁


インフルエンサーは儲かる銘柄を教えてくれる

投資経験がない人がよく勘違いをするパターンの1つとして、TwitterやYouTubeでフォロワーが数十万人いるようなインフルエンサーが紹介している金融商品や銘柄が「優良で将来性の高い商品である」と考える人が多いことです。

当然、すべてのインフルエンサーが間違った商品を紹介してるわけでありませんが、彼らが紹介する商品の中にはアフィリエイトと言って販売手数料を受益しているケースや広告宣伝料をもらいながらツイートしているケースも少なくありません。


加えて、インフルエンサーは投資のプロというより、宣伝のプロです。彼らの強大な影響力によって難しい投資情報を簡単に理解することができるかもしれませんが、その投資先が予想外に倒産したり、株価が暴落するなどのリスクは十分に含まれます。

SNSは無料で沢山の情報を得られるメリットが大きいものの、情報を取捨選択する力がなければ騙されますし、多くの情報発信者は相手を騙そうとして騙すのではなく、無意識のうちに騙される人を増やしている可能性も少なくありません。

イケハヤさんのケースもそのようなことだったと記憶しています。


SNSを投資判断として活用する際には、十分に気をつけて行動するべきだと思います。


数ヶ月で結果が出る

投資を始めると、すぐに株価や資産の増減を気にしてしまいます。

そして投資は最初が最も損失が出やすいため「投資に失敗した」と結論づける人が多いです。コロナショック時や2022年の下落相場でも「投資をしなければ良かった」というツイートは沢山出てきます。

投資方法にもよりますが、資産運用はたった数年では結果が出ません。投資は資産を売却しなければ利益も損失も確定しないわけですから、結果を出すタイミングは自分自身で決めるのものですし、つみたてNISAのようなインデックス投資であれば、最低10年はほったらかしにして、結果を判断しない方が賢明です。

それでも無理矢理判断するのであれば、2022年9月時点での代表的な銘柄では、どれも元本割れしていません。

つみたてNISA積立シミュレーション結果
関連記事:つみたてNISAの積立シミュレーション結果と振り返り(2022年9月時点)

投資に結果を求めるのは、最低でも10年経ってから主張するのが良いと思います。


資産形成の間違ったイメージ

3つ以外でも間違っているイメージはあります。

  • 借金完済するまで投資しない
  • 投資には高度な勉強が必要
  • 優良銘柄は手数料が高い
  • 20代で投資は早すぎる
  • 投資は国内株が有利
  • 数十万円など大きな金額が必要
  • 現金が一番安全な資産

勘違いのまま年齢を重ねてしまうと、取り返しがつきません。早く投資の知識が日本中に広がってくれると良いなと思ってます。