リバランスの必要性

リバランスとは、資産運用のポートフォリオバランスを決められた比率に再調整する意味で使われます。

たとえば、100万の資産を株、債券、コモディティ、現金の4つに均等割で投資したと想像してみてください。

リバランス1
出典:SBI証券

投資後それぞれの価格は変動することでポートフォリオのバランスが上記のように崩れ始めます。

仮に2年目以降、ポートフォリオ全体の41%(= 50万円 ÷ 120万円)を占めている株が下落すると、資産全体も大きく減少してしまうことになります。

リバランスによって4つの資産を再度投資した時と同じ比率に調整すると、どれかの資産が大きく下落したとしてもその影響は4分の1に抑えることが可能です。

リバランス2
出典:SBI証券

リバランス後の株式資産は30万円で全体の25%となるため、41%を占めていた時のポートフォリオと比べると株価の影響を受けにくい資産が完成することになります。これがリバランスが必要と言われる理由です。


リバランス意味ない?

リバランスには先ほど紹介したようなメリットがある一方でデメリットもあります。それはリバランスによって価格が成長している銘柄を売却してしまうため、無駄な税金と手数料支払ってしまうことが1つとして挙げられます。

先ほどの例では、120万円の資産をリバランスした後の資産額も120万円と変わりませんでしたが、実際に利益がある資産を売却すると、株式投資では20%の税金支払いがあるため、同じ金額にはなりません。

リバランス2
出典:SBI証券

株式投資で25万円の含み益(25万円→50万円)がある状態から50万円の株式資産を30万円になるよう20万円分売却すると、約2万円の税金が差し引かれます。すると手元に残る現金は18万円となり、その18万円を各資産に再度投資するわけですから、コモディティと債券へ投資する際に取引手数料が0.数%取られてしまうことになります。

今回の内容まとめると、リバランスをすることによって約2万円とちょっとが全体の資産が減るため、全体の資産は120万円ではなく、117万円に減少しているというのが実態です。


機会損失もある

投資にはリスクがあり、永久に右肩上がりで上昇し続けるわけではありません。どこかで株価が暴落するなどのリスクがあり、市場サイクルが循環すると考えるのが一般的です。

ですが超長期的な資産推移を見ると、長年にかけて右肩上がりで成長してきた資産もあります。

ジェレミー・シーゲル


うまく成長している銘柄を売却してしまうことは、長期的な成長を税金や手数料で失うだけでなく、現金や金など株式より利益成長の低い資産に投資をすることで機会損失となる可能性も考えなければいけません。

資産を守るために必要なリバランスも過度にやりすぎるとデメリットが大きくなるという話でした。