債券ETFの買い時

FRBの急激な金利引き上げにより債券価格は暴落、人気ETFの一つとして知られるBND(Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF)の価格は年初来-16%を記録しました。

BND価格
出典:Google Finance

急激なインフレが解消された後、米国の金融引き締め政策は終了します。その後の不況が訪れれば、金利を引き下げる可能性もあると予想するのであれば、債券ETFは暴落しているうちに買っておくという投資判断も考えられるはずです。

世界最大手の資産運用会社であるブラックロック社のCEO、ラリー・フィンク氏は債券に大きな関心を示していると先日報道されました。



将来予想は未来を保証するものではありません。ですが、債券ETFについて勉強するには面白いタイミングだと言えます。


米国債券ETFのおすすめ

一言に債券と言っても、国債、社債、ドル建て、円建て、長期、短期など様々な種類がありますが、ここでは米国で上昇されている債券ETFについて説明をしていきます。

債券ETFを分けるのであれば、投資元本が投資家に償還される期間の長さで分けることが出来ます。中でもダントツで人気なのが長期債と短期債を組み合わせた総合(All-Term)ETFです。運用資産額は中期債の3倍以上となっています。

債券ETFの種類と運用資産
出典:etf datadase

ETFの数も総合が最も多く265本もリリースされており、競争が激しくなっています。総合債券ETFが人気となる理由はポートフォリオの分散性を上げることにもつながりますが、長期債と短期債の値動きは似てるようで実際は大きくことなる傾向もあるからだと思います。


債券の値動き

過去の債券利回りチャートを見ると、長期債と短期債の違いがわかります。

短期債の利回り
出典:investing

短期債は長期際に比べてボラティリティが激しく、不況時は急激に利回りが上昇、債券価格は暴落します。

対して、長期債は短期債に比べて利回りが安定しています。

長期債の利回り
出典:investing

同じ債券でも値動きが異なるため、総合債券ETFで分散性の高いポートフォリオを求める人が多くなると考えられます。


債券ETFランキング

債券市場で運用資産が多いETFはバンガード社が運用するBNDと、ブラックロック社が運用するAGGが飛び抜けています。

債券ETFランキング
出典:etf datadase

BNDの運用資産額は797億ドル(約11.7兆円)となり、AGGも同程度の水準を維持しており、この2つはSBI証券や楽天証券からも投資可能です。


まとめ

今回の内容をまとめると、以下の通りです。

  • 2022年は債券価格が暴落
  • フィンク氏も債券に注目している
  • 債券ETFは総合ETFが人気
  • 短期債と長期債の値動きは違う
  • 運用額はBNDとAGGがダントツ

投資目標となる老後資産の切り崩しまで10年、20年以上あるという投資家からすれば、債券投資はあまり魅力的に映らない可能性がありますが、あと5年、もしくは既にFIREを達成し、資産を切り崩している投資家であれば、債券投資で資産を分散する意味も強くなるはずです。