年代別の金融資産額の中央値と割合
金融広報中央委員会が発表する2021年の大規模調査を参考に各年代ごとの貯金額を含めた金融資産額を調べたところ、以下の衝撃事実がわかりました。
- 20代の3人に1人は貯金ゼロ
- 30代で資産100万円未満は4割以上
- 40代の半数以上が貯金300万円未満
- 50代の約半数が貯金400万円以下
- 60代で3,000万円以上保有する世帯は約2割
- 70代で1,000万円以上もつ世帯は半分近くいる
50代と60代を境にして違う国にいるかのように資産の逆転現象が起きてるようです。ここから各世代の金融資産分布を細かく見ていきます。
20代、30代、40代の貯金額
20代、30代、40代世帯の金融資産保有額を見ると、まず最初に目立つのは20歳代の金融資産非保有世帯の割合が38.5%もあるということです。
30歳代、40歳代においても27%程度は貯金ゼロ世帯となっており、日本の40歳以下の年齢において貯金ゼロ世帯は珍しくありません。このデータは単身世帯も含めた総世帯での数字となっているので、夫婦で貯金ゼロという世帯もある程度存在することが想像できます。
加えて、30歳代と40歳代では20歳代と比べて100万円未満と200万円未満の世帯が減少しますが、それでも30歳代においては金融資産200万円未満の割合が50%もいて、40歳代に関しても45.4%が200万円以上の金融資産を持っていません。
日本の若い世代が200万円程度の資産も保有できない状況では、子育てや戸建て住宅の購入をあきらめざる得ないことも納得がいきます。
50代、60代、70代以上の貯金額
50歳代以上の金融資産分布を見ると、60歳代と70歳代において3,000万円以上の金融資産を保有する割合が50歳代の倍程度に増えていることがわかります。
50歳代で金融資産3,000万円以上保有する世帯は11.5%なのに対して、60歳代以降では21%程度の世帯が3,000万円以上の金融資産を保有しているという事実があります。
現在の60代、70代は1990年までのバブル時代(世界の時価総額上位企業のほとんどが日本企業だった時代)に会社内で良いポジションについていた世代かつ、退職金も今よりも大きい世代だと考えられます。
今の20代、30代がこのまま努力しても現在の60代、70代のような資産を築くことは到底不可能だと思いますし、もらえる年金や増え続ける税金などを考えれば、現在の60代以降世代はかなり恵まれた世代だと言えるはずです。
まとめ
各年代においての金融資産保有額を解説してきましたが、最後に年代別の平均値と中央値も紹介します。
20代の中央値はたった20万円、50代だとしても中央値が350万円しか保有していない状況です。今後も日本の貧困問題は深刻化していきそうな予感がします。