ベアトラップとは?

ベアトラップ(Bear trap)は、金融相場が下方向へ突き抜けた後に、上方向へ価格が反転する意味で使われます。

市場参加者は下方向へ強く相場が動くと、その後も下方向へ進むことを期待しますが、その期待を裏切って価格が反転することで参加者への罠(トラップ)となるため、ベアトラップと言われています。

ベアトラップは発生後でないと「ベアトラップだった」と判断することはできませんし、発生前は強い下落相場が始まったかもしれないと毎回投資家を惑わせる要因となります。


2021年の仮想通貨相場で検証

ベアトラップは強い上昇相場でこそ発生しやすいため、2021年のビットコイン(仮想通貨)相場を参考に過去のベアトラップ相場を確認していきましょう。

ビットコイン相場(2021年)
出典:TradingView

2021年での上昇相場では5回も発生しており、小さいベアトラップを数えればキリがありません。ビットコイン相場はボラティリティ(価格変動)が激しいたため、半値以下まで価格が下がるようなベアトラップ(④)も発生しており、かなりの投資家が振り回されやすい相場となっています。


ベアトラップへの対策

繰り返しになりますが、ベアトラップは発生後ではなと「ベアトラップだった」と判断することはできません。ですのでベアトラップを完全に回避する方法は存在しないと考えるのが妥当です。


基本は順張り

ベアトラップで失敗するためには、信用取引で空売りしたりショートポジションを取る必要がありますが、FXや仮想通貨などで下落相場を予想するのは投資の難易度が比較的高くなります。

基本は長期的に上昇が狙える相場で順張りを狙うこと、ショート狙いは避けることがベアトラップに騙されない方法として有用です。

逆張り投資は難易度が高いと考えましょう。


半値戻しは全値戻し

相場の格言で「半値戻しは全値戻し」という言葉があります。下落幅の半分まで値を戻した相場は今後元の水準にまで戻る可能性があるということです。


全戻し協会

下げ幅を全部戻しすると、「全戻し協会」の仕業と言われることがあります(実際にこのような団体はありません)。



長期的に見て強い抵抗線がある場合や長期的な上昇相場となりやすい場合は全戻しする可能性が十分に考えられます。

ビットコインも2022年は強い下落相場の最中ですが、長期的に見れば上昇相場を作っています。

ビットコインチャート
出典:coinmarketcap

逆張りで短期的に儲けることを考えるより、長期的な利益を狙う方がベアトラップは避けやすくなるはずです。