JR西日本の株価と今後を分析

前回の旅行・鉄道関連銘柄をランキング形式で一気に紹介しました。

中でも最も注目度が高かった銘柄として紹介したのがが以下の2社でした。

旅行・鉄道関連の注目銘柄
項目 JR西日本 JR東海
コード90219022
年初来株価+20.22%+12.65%
時価総額1.4兆円3.5兆円
PER21倍17倍
自己資本比率27.6%38.2%
配当利回り1.7%0.7%
売上成長率+27%+42%
営業利益率2%22%

今回は「JR西日本」について、銘柄の魅力や懸念材料を細かく紹介していこうと思います。


JR西日本の業績

JP西日本は新幹線や在来線を含む運輸収入が全体の5割以上を占め、それ以外はコンビニやお土産などの流通、ショッピングセンターや商業ビルなどの不動産、旅行業や工事業などの子会社を運営することで成り立っている組織です。

JR西日本セグメント情報
出典:JR西日本の決算説明資料(2023年3月期 第1四半期決算)

2022年3月期は通期として1,190億円の赤字でしたが、今期の利益予想は300億円の黒字転換を予想しています。

直近の月次進捗を見ても、第二四半期と上半期合計では前年より5割近い増収を見せており、業績UPが期待できます。

JR西日本、月次進捗
出典:JR西日本


JR西日本の今後の見通し

主には以下の要因により、今後の収益増加が期待できる可能性が高くなっています。

【業績を押し上げる要因】
  • コロナ規制の緩和による外出需要増加
  • 政府の全国旅行支援による観光客の増加
  • コロナ渦での減便や人件費、広告費などのコスト削減

さらに業績を押し上げる要因を3つ紹介します。

大阪駅と広島駅の大規模開発

2011年より開始された大阪駅の大規模開発プロジェクトですが、2023年にはうめきた地下駅が開業予定となります。

大阪駅
出典:JR西日本

2024年秋には23階建の駅ビルが開業し、2024年から2027年までは東海道線支線の地下化、新駅設置も計画中されています。


加えて、広島駅では2025年春を目標に20階建の複合ビルを開業予定となります。

広島駅ビル外観イメージ
出典:JR西日本

広島電鉄をJR広島駅内へ乗り入れるように実現されるとのことです。


2023年4月から運賃を値上げ

JR西日本は「鉄道駅バリアフリー料金制度」を目的として、2023年4月から割安な区間の一部を値上げすると発表しました。

鉄道駅バリアフリー料金制度とは、利用者から収受した料金をホームドアやエレベーターなどのバリアフリー設備の整備(設置、改良、更新、維持管理等)に充てられる制度です。

普通運賃値上げ区間は10円から40円の値上げ幅、通勤定期値上げ区間は大阪~京都、三ノ宮、宝塚、京都~奈良などが含まれる65区間あり、最大約15%の値上げを実施予定しています。今回の値上げは消費増税に伴うものを除くと、1987年の国鉄民営化後で初めての対応となり、増収効果は110億円以上を想定されています。


インバウンド需要にも対応

今後のインバウンド需要に備えて、関西国際空港と京都方面を結ぶ特急「はるか」の運行本数を1日あたり38本から60本へ11月1日より戻すことで外国人の入国制限緩和や空港需要に対応する方針です。

2015年に北陸新幹線の長野と金沢間が開業されましたが、2023年度末は金沢と敦賀間が開業する予定となります。

北陸新幹線、金沢と敦賀間が開業
出典:JR西日本

その後、新大阪駅までの乗り入れ工事も進むかもしれません。

加えて京都と奈良を結ぶ奈良線の複線化工事も進行していますし、人気の長距離列車である「WEST EXPRESS 銀河」が山陽山陰に加えて、紀南コースの運行も開始するなど、鉄道事業への投資が目白押しです。


JR西日本の懸念材料

JR西日本の懸念材料として考えられることが2つあります。


コロナ前の需要まで戻らない可能性

1つは在宅勤務やリモートワークの普及により、鉄道需要がコロナ前には戻らない可能性があります。移動する人が減り、感染対策などのコストが嵩めば、他の費用を削るなどで利益を拡大させるしかありません。

JR西日本の主要事業は運輸収入となるため、乗客数の増減が企業の生命線とも言えます。


人口減少による需要減

もう1つは日本の長期的な問題ともなっている人口減少です。

総務省が発表する2021年10月での人口統計では、総人口が1億2,550万人。前年に比べ64万人(‐0.51%)の減少となり、減少幅は比較可能な1950年以降過去最大となっています。

人口増減の推移
出典:総務省

仮に毎年0.5%ずつ人口が減少すれば、10年後には人口の5.2%(約625万人)が亡くなってしまうこととなり、高齢化による生産人口の減少なども重なってしまえば、鉄道利用者の長期的な減少も避けられない可能性があります。


JR西日本の株価を分析

JR西日本の株価はリーマンショック以降、綺麗な右肩上がりで推移してきましたが、2020年におきたコロナショックにより、9,978円のピークから半値以下となる4,410円まで急降下してしまいました。

JR西日本株価
出典:株探

その後の株価は7,000円まで回復しますが、国鉄民営化後JRグループ初の公募増資を行ないました。48,545,400株の新株を発行した影響により株価はまた半値近い水準となる4,588円まで下がりますが、その後は鉄道需要の回復などが期待され、株価は6,000円に近い水準まで回復しています。

株価チャートを見ると、当面の目標としては昨年つけた7,000円を超えること、その次にはコロナ前の水準となる9,978円を目指したいところですが、2022年10月14日終値時点でのPERは24.2倍となっており、過去10年の推移と比べると割高気味の水準です。

JR西日本PER
出典:irbank

ただし、安値で拾うことができれば今後は今後3%以上の配当利回りが狙える高配当株に化けるかもしれません。

JR西日本配当利回り
出典:irbank

100株ごとに1枚もらえる片道お一人様の運賃・料金が50%割引の株主優待鉄道割引券などの株主優待も充実しているため、関西圏へよく行かれる人であれば長期保有のメリットも増えるはずです。