アメリカは投資が当たり前?
日本よりも米国の方が金融リテラシーが高く、投資家比率も高いことがメディアでも取り上げられていますが、実は米国もつい最近まで投資家比率が低かった時代があることをご存知でしょうか。
米国の個人投資家比率
今から34年前となる1989年時点の米国の株式保有比率は約3割程度。

現在の日本の投資家比率は2割程度と大差がありません。
出典:日本証券業協会米国の投資家比率が上昇した理由はグラフにもありますが、職場での投資制度の影響がとても大きなキッカケとなっており、2020年時点で投資信託を保有する投資家のうち8割が401kやIRAsなどの職域積立で購入している結果となっています。

ここまでのデータからわかるように米国の「国民意識が高いから」「金融リテラシーが高いから」という理由で投資家比率が高いというよりも働き始めた瞬間から職場で投資制度が用意されているため、その制度を選択する人が増えたことにより投資家比率が上昇したと考えるのが自然です。
もしかすると、意識やリテラシーは投資の副次的な効果で強制的に職場での投資が開始されたことによって後から知識や投資マインドが醸成されてきたのかもしれません。
日本は投資制度が不十分
日本では2001年から確定拠出年金が始まり、2014年にNISA(少額投資非課税制度)がスタートしましたが、投資枠が海外と比べて全然少ないのが現状です。
非課税投資制度NISAは
— Gaz(ガズ)@週末はブログを読もう (@gazooblog) April 17, 2022
イギリスのISA(アイサ)が起源
NISAの投資期間は5年や20年ですが、ISAは無期限かつ年間£20,000(約330万円)まで投資可能。
今後は投資機会の拡大を目指して、日本でも無期限化と投資額の"大幅UP"をお願いしたい。 pic.twitter.com/cWmS33ZFVo
制度が拡充しないこともあり、個人資産に対しての投資額も海外と比べるととても低い水準を維持しています。
出典:日本証券業協会日本の金融資産保有額
日本は貯金大国と言われており、個人資産は2,000兆円を超えています。
加えて300万円以上の金融資産を保有する世帯は全体の半数を超えており、投資人口を2割で考えると、十分な貯金があっても投資をしてない世帯が3割(約3,000万人)はいる計算です。

大きな貯金があるにも関わらず投資に資産を回せていないことは短期的には正しいかもしれませんが、長期的に考えればインフレなどによって資産の価値は目減りしますし、米国などの家計資産と比べると、成長率が落ちて機会損失を生む可能性の方が高くなります。
そうならないためにもNISAやiDeCoなどの制度を日本は早急に拡充させて投資が当たり前の国になっていけば良いと思います。