株の買い増しルール1「上昇要因の発掘」

長期的な株価は企業業績に連動しやすいと言われており、売上や利益が増えれば株価も増えやすくなります。

S&P500 eps
出典:MacroTrends

上記は米国の株価指数であるS&P500(青線)と企業の一株当たりの利益(オレンジ線)を比較したグラフです。

両者の動きが連動して相関が高いことが確認できます。

このような相関はS&P500に属している企業だけに限らず、日本株でも新興国株でも長期的な株価は企業業績に連動しやすく、企業業績を予想することが将来の株価を予想することにもつながります。

だからこそ株を買い増しする際には、企業業績を予想するために決算発表にて開示される売上高や営業利益率、キャッシュフローなどの業績を細かく確認しておくことが必須となります。


企業業績が安定しやすい、もしくは株価が上がりやすい銘柄の特徴は以下のポイントを見ることが大切です。

  • 構造的に安定した収益基盤(高い参入障壁)を持っている
  • 今期も増収増益予想であり、見通しが現実的である
  • 累進配当の意識が強く、配当性向が適正である
  • 国策やメガトレンドの潮流に乗っている


PERが割安だからとか、有名インフルエンサーが紹介していた銘柄だからという理由で投資判断をするのは良くありません。

上記項目を自分で複数の情報源を辿りながら確かめていく方が失敗は少ないはずです。

これらの確認作業をサボってしまうと株価が急落した時に資産を手放してしまいやすいので、投資先の強みと弱みを納得してから買い増しを行う方が後悔のない投資が出来ると思います。


株価で判断しない

株の買い増しをする際、「株価が上がっているから買う」「株価が下がっているから売る」という投資判断もダメな例の1つです。

ダメな理由は以下のTOPIX(東証株価指数)と株式投信の資産流出入額を見ると理解できます。

株式投信の資産流出入グラフ


上記グラフで注目してほしいポイントは「株価が上がる度に株式投信への資産流入が大きくなっている」ことです。

株価が天井付近になるところで株が大量に購入されるので、株価が下がると大量の含み損が生まれ、投資で失敗する人が続出します。

その現象が60年間で何度も繰り返され続けているので、おそらくは今後も日本株の投資家は株価を見て天井付近で大きく買い増しをすることが予想されますし、株価の上昇具合に応じて投資し続けていると含み損を抱えるリスクも高くなるはず。

つまりは安易に上昇トレンドや下降トレンドによって投資判断をしてはいけません。


株の買い増しルール2「資金の流れ」

株式投資の取引とは、売る人と買う人の双方がいることで成立します。

自分が株を買い増すのであれば、同じタイミングで株を売る人がいないと取引は成立しません。

自分と真逆の投資判断をする人の投資判断を考えることが、投資の失敗リスクを下げる行為につながります。


株式投資では複数の視点から企業を分析することが大切ですが、一般的に株式を手放す理由は以下のような材料があるときです。

  • 企業の不祥事が起きたとき
  • 競合他社・取引先に問題があったとき
  • 企業業績の見通しが悪くなったとき
  • 無配・減配発表があったとき
  • アナリスト予想を下回ったとき
  • 新株発行や公募増資など株が希釈されるとき
  • 株価が大きく下がったとき
  • 悪い経済指標が発表されたとき
  • 為替や金利が急変したとき
  • インフルエンサーの煽りが終了したとき
  • 過去と同じレンジ相場に入ったとき
  • 機関投資家が動いたとき

他にも様々な理由があると思いますが大事なのは、投資の時間軸と投資判断を合わせることだと思います。

自分の投資がいつの時点で利益を最大化させればいいのかを忘れてはいけません。

1ヶ月後の利益を最大化させるのであれば頻繁に株を売り買いする必要がありますが、10年後、20年後の利益を最大化させる場合は一般的な悪材料があったとしても長期で保有する判断が必要となります。

自分が買い増ししたい銘柄がある場合には

  • なぜ売られているのか?
  • 手放される理由があるとすればどんな理由か?
  • 自分が気づいていない悪材料が出ていないか?
  • その理由は自分にとって問題のない範囲内か?

など自分の考えだけに固執せず、柔軟な頭で十分に検討しておくことが大切です。


株の買い増しルール3「少額投資」

最後のルールは少額投資を心掛けること。

世の中には「一括投資 VS 積立投資」の議論がありますが、一般的な投資家の買い増しルールとしては少額の積立投資が最適解になる場合が多いと思います(もちろん、投資環境によって最適解は異なりますのでご注意下さい)。

少額投資は機会損失が多く、高いリターンが得られないというデメリットがありますが、それよりも以下のメリットを優先するべきです。

  • 高値を掴みにくい
  • 現金比率を高く保ちやすい
  • 株価が大きく下がっても損失額を抑えられる

大きな損失さえ避けられれば、投資を長く続けることが出来ます。

投資を続けられれば利益を上げるチャンスや新たに現金を投入するチャンスが増えるわけで、20年、30年などの長期投資を考えた際には楽しめるはず。


右肩上がりの相場なら一括投資の方が断然高いリターンを得られますが、必ずしも長期的な株価が右肩上がりになる保証はありませんし、もしかすると2000年以降のITバブルとリーマンショックが起きた時のように約13年間も最高値を更新しない時期が今後来るかもしれません。

リスクに備えるという意味では少額投資の方が打ち手が多く、精神的にも安心しやすい投資方法となるはず。


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