いくら貯金があればお金持ちなの?

どのぐらいの資産を手にした人たちがお金持ちや富裕層と呼ばれるのか。

人によって考え方も違うでしょうし、お金持ちにも色々な定義があると思いますが、いくつかのパターンで解説していきます。


保有資産で考える

最も有名なのは野村総研が発表したレポートです。

階級別保有資産規模と世帯数
出典:野村総合研究所

家計資産の保有残高によって富裕層とマス層を区別する方法です。2019年時点での富裕層と超富裕層世帯は全体のわずか2.4%しかいません。41人に1人の割合なので1クラスに一人いるかいないかの希少性となります。

日本の富裕層について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。



世界のお金持ち

日本だけで考えると資産1億円以上保有する人はほとんどいないため「お金持ち」と主張しても違和感は全くありませんが、海外では状況が変わってきます。

クレディ・スイスのレポートによれば、2020年時点で資産5,000万ドル(約71億円)以上保有する富裕層はぶっちぎりで米国の人口が多く、日本は世界で5番目となり、米国と比べると全く比較にならないこともわかります。

Global wealth report 2021
出典:credit-suisse.com

同調査によれば、米国では100万ドル(1億4,250万円)以上保有する人口の割合は8.8%に対して、日本は3.5%と半分以下です。米国の方が人口も多いため、人数でも圧倒的な差となるわけです。

人口の1割近い確率で1億円以上の資産を保有する人がいるって結構やばいですよね。1クラス30人ならクラスに2〜3人も資産1億円以上保有する人がいることになるので、相当な確率だと思います。

クレディ・スイスのレポートについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。


ここまでは保有資産をお金持ちの定義としてきましたが、次は別の定義で考えます。


収支で考える

私はお金持ちの定義は保有資産よりも家計の収支で考える方が好きです。

定義は以下の通り。

【お金持ちの定義】
    「毎月の支出 < 毎月の収入」となれば、お金持ち
    「毎月の支出 < 毎月の収入」となれば、貧乏

どんなに資産を持っていても収入以上にお金を使いすぎる人は、いつか資産が底をついてお金に困ることになります。豪邸や高級車を保有していても、借金が返済できない人や借金返済のために労働し続けなければいけない、やりたいことができない不自由さがある人は「お金持ち」ではないのかなと思います。


収入の質も大切

毎月の支出が収入を超えなければ貯金は増えますし、株式や不動産などに投資をすれば、労働以外の新しい収入源を確保することができます。

先ほどは「毎月の支出 < 毎月の収入となればお金持ち」と定義しましたが、さらに上があるとすれば、毎月の収入が労働収入1つだけではなく、株の配当金や不動産の家賃収入など複数の収入がある状態を保つことがお金持ちにより近いイメージだと思います。

収入源が複数あれば、仕事を辞めたとしても他の収入で「毎月の支出 < 毎月の収入」を作ることができれば、仕事の自由度がもっと幅広くなりますし、仕事の時間を減らして他のやりたいことに時間を費やすことも出来る”選択の自由”が生まれます。

そういう自由さを手に入れている人こそ、お金持ちだと言えるはずです。


お金持ちは支出次第

少しだけ勘違いされやすいのは、「毎月の支出 < 毎月の収入」という状態は我慢するような制約をしたり、ストイックすぎる倹約をしてたどり着くような生活スタイルではありません。

精神的にも肉体的にも無理のない範囲内での生活をイメージしているので、まずは自分が満足できる最低限の生活水準を決めて、それを上回るだけの収入を得ることが目的となります。

人によって何が贅沢なのか、どこまで支出を我慢できるかは分かれますが、それほど贅沢に興味がない人ほどお金持ちになりやすいのは事実だと思います。