つみたてNISAいつやめる?

つみたてNISAの仕様を見ると、非課税投資期間が20年間となっていますが、非課税投資期間は毎年1年ずつずれるため、20年目の投資枠が終了するのは、つみたてNISA開始時から40年後となる仕様です。

つみたてNISA非課税期間
出典:金融庁

このような仕様となるつみたてNISAですが、40年間の運用期間が終了したら止めるべきなのか。

いつやめるのがベストなのかを解説していきます。


基本は止めない

つみたてNISAは40年間の非課税期間が終了しても投資資金はNISA口座から一般的な証券口座である特別口座へ移動されるだけで、資産を運用し続けることは可能です。口座移行後も移行前までの含み益には課税されません(移行後に資産が増えれば、移行後に増えた分のみが課税対象となります)。

今後の制度改革でも期待さていますが、つみたてNISAは生涯ずっと運用し続けられる設計になっていますので、20年や40年などの決まった期間に囚われず、自分の好きなタイミングで取り崩せる仕様になっています。税金やNISAの制度が理由で損をする時期というのはありません。

加えて、つみたてNISAでは長期投資銘柄がほとんどで、運用期間が長いほどリターンは安定しやすく、大きな収益を得やすい構造になっています。50歳で資産を売却するよりも10年間運用期間を伸ばして60歳で売却し始める方がより大きな資産を手に入れやすいということです。

この仕組みを活かすのであれば、資産は必要になった分だけを取り崩し、残せる資産は出来る限り取り崩さずに運用し続ける方法が最も資産を長持ちさせる方法となります。

お金を使うべき時期は人それぞれですが、制度設計に囚われず本当に必要になった時だけお金を使い、それ以外は資産を運用し続ける方法が最も効率の良いつみたてNISAのやめ時となります。


老後生活が始まったら止める

多くの人にとって「お金を使う時期」「本当にお金が必要になった時」がいつなのかを判断するのが難しいかもしれませんが、一般的には仕事を退職した後、年金だけでは毎月の収入が足りなくなった時が最もお金が必要な時だと思われます。

人生にも限りがあるわけですから、労働収入がなくなった際には資産の取り崩しを我慢せずに必要な生活費分だけを少しずつ取り崩していくべきです。

また仕事がなくなった時というのは老後だけでなく、万が一の病気やリストラなどで収入を失うリスクもあるはずです。保険などで対応できる方であれば良いのですが、最近では保険料を支払うようりも資産運用で稼ぐ人の方が増えていると思いますので、万が一のことで仕事ができなくなった時も迷わずNISAの資産は生活のために使っていくべきだと思います。


間違った売り時

つみたてNISAの取り崩しは「必要な時」に行うべきですが、実は出来る限り”この時期だけは”取り崩さない方が良い時期があります。

それが「株価暴落時」です。

過去の例で言えば、2000年のITバブル、2008年のリーマンショックが起きた期間です。

株価暴落時に資産を取り崩すと、本来取り崩せる金額が最悪半分以下になってしまいます。加えて、株価暴落後は大きな上昇相場が訪れるのが投資の定説なので、その大きな上昇相場の前に資産を取り崩してしまうと、せっかくの資産が増えるチャンスを活かすことが出来なくなるからです。

いつ起こるかわかりませんが、株価暴落は今後も必ず訪れるので、その際は出来る限り資産を取り崩さないか、取り崩す額を最小限に抑えることが資産を守ることに繋がります。