ポートフォリオのメリットは?
最近では、1つの銘柄で分散効果が効いている投資信託やETFが多いため、ポートフォリオについて考えることも少ないと思います。ですが長期で資産運用を続けるなら大切な考え方の1つになりますので、ポートフォリオを組むメリットを一緒に学んでいきましょう。
株価暴落リスクに対応する
ポートフォリオを組むメリットは株価暴落時など投資リスクに対応するためです。
ITバブル、リーマンショックなど10年に1度ぐらいのタイミングで訪れる株価大暴落では、指数が半値まで下がったり、個別株であれば8割減、9割減になった銘柄も沢山あります。その時にポートフォリオを組まず資産を切り崩した投資家は本来受け取れるはずの現金よりもだいぶ少ない現金を手にして、多くの資産を失ったはず。
株価暴落は今後も必ず起こりますが、いつくるかは誰にもわかりません。繰り返しになりますが、自分が老後資産を切り崩すタイミングに来るかどうかは誰にもわからないんです。
4%ルールで検証
退職後の出口戦略で有名なトリニティ大学の研究結果「4%ルール」では、最良と最悪の場合で資産推移にどれだけ影響があるかが研究されています。
【4%ルール(トリニティスタディ)とは】
過去の株価を用いて資産の4%(定額)で毎年取り崩すと、非常に高い確率で資産が残るという米国トリニティ大学の研究結果。
50年間の超長期的な出口戦略の結果で最良のシナリオから見ていきます。
出典:thepoorswiss最良のシナリオでは資産を3%ずつ定額で引き出した際には、株式資産が40%以上(債券比率は60%以下)であれば資産は9割以上の確率で50年間資産を持たせることが出来ますが、5%で引き出すと株式比率100%の資産であっても途中で資産が枯渇する可能性は25%以上となります。
次に最悪のシナリオを見ていくと、株式100%で構成される資産が最も資産減少が激しく、途中で資産が枯渇する可能性が高くなっています。
出典:thepoorswiss株式100%の資産推移は良い時期にあたれば、どの資産よりも高い効果を発揮しますが、株価暴落時など最悪期にあたってしまえば最も資産が減りやすいポートフォリオとなってしまうのです。
つまり、株式100%など偏ったポートフォリオは1つの局面では強くても、違った局面ではマイナスに大きく動くことを把握しておく必要があります。
年齢が高いほどリスクが取れない
投資は年齢が若いほど株価暴落局面が訪れても資産が回復するまで待つことが可能ですが、ある程度の年齢になってしまえば老後の生活費として利用せざる得ないため、待ちのスタイルが取れなくなります。
なので高齢な人ほど資産を分散させることで安定的な利益を得ることが優先されます。

JPモルガンのシミュレーションでは退職者向けの株式比率35%のポートフォリオでも過去の結果から見れば年間リターンを6.3%、ボラティリティ(標準偏差)は若者向けのポートフォリオと比べて半分程度に維持できたとしています(あくまで過去の結果です)。

投資期間があるうちはポートフォリオを組むメリットが薄いかもしれませんが、投資期間に限りが見えた時や退職する年まで数年しかない場合、株価暴落での資産減少は絶対に避けなければいけません。
そういうリスクに対応するためには1つの資産に固執せず、効率的に分散されたポートフォリオを組む必要があります。
まとめ
ポートフォリオを組むメリットは以下の通りです。
【ポートフォリオを組むメリット】
- 投資リスクに対応するため
- 退職後、資産を枯渇させないため
- 退職直前で資産を減らさないため
年齢が若いうちはポートフォリオの意味について気づきにくいかもしれません。
ただ知識として頭に入れておくのはアリだと思います。